二日休んだけだが、仕事忘れて嫌で仕方なくなっていた

朝事務所につくと、所長にお前車で眠ってるんだってな!とめちゃくちゃ怒られた。私は平謝りしていたが、運転しながら助手席でうとうとしてるの見張っているらしい

先輩に給油の仕方を指導されるが、めちゃくちゃ細かくて、ややこしい。給油のやり方だけでなく、ここは左手をつかうとか右手をつかうとか、作業は絶対に軍手を使わないとならないとか面倒でうんざりしてくる。歳がいくと色々とうるさく口出ししてくる印象だ

給油ノズルは素手でも扱えるし、けがをするリスクも小さいと思うが、危険作業扱いで手袋をしないと怒られるようになった。この先輩のために作業手袋のほかに軍手も用意しておかないとならない。軍手は作業向きではないが、汚れを洗いやすい。素手で汚れるのが一番洗うのが簡単だが、不安全行為だと考えているらしく、糞怒られる

おしゃべりなおっさんの先輩とぼちぼち世間話する。他愛のないことだ。仕事慣れたとか、早く免許取れよとか、運転は頭で考えずやらないとうまくならないぞ、という内容。この先輩と会うたびに同じ話をされている

家族構成や秦野に越してきたことも聞かれた。言いずらいことだが、この程度の世間話はペラペラできるようになれておかないとならない。母親が面倒な人物で、一緒に暮らせないから越してきたと答えた

精神障碍者手帳三級を持っていることを驚かれた。これ知ってる人はみんな知ってるが、メンタルクリニックで寝つきが悪いとかで、各月ごとに通院しているだけでももらえるような白物だ。あまり役にも立たない

睡眠薬の効果についても聞かれた。睡眠薬は大した効果がなく、睡眠導入剤と言われてる程の効果がない。せいぜいちょっと眠くなるだけで、耐えることもできる

先輩はビール飲んで寝付いてると答えたが、体温が上がるので睡眠の質が悪くなるのがよくないと教えてくれた。私の歳の男なら普通は毎日アルコールを摂取しているはずだ

先輩はいかにもガテン系で、世間話が好きだが、あれなんだっけ?といって頻繁に会話に詰まる。加齢のせいか、元々なのかわからないが、肉体労働の男は頭が悪いと言われても仕方がない

昼間は珍しくすき屋で先輩と一緒に飯を食った。牛丼ランチ550円を頼んだが、満足いくものだった。すき家は若干ほかのファーストフードより安め、かつ和食系の定食のバランスが良い。サラダと味噌汁と牛丼のバランスが良く、うっすい肉にもかかわらず満足感を味わえる。ファーストフードは生活習慣病のリスクが上がるが、すき家の定食だけは無縁だと思う。肉が薄くて野菜と味噌汁が多いのだ

飯食った後は一時間ほど休憩時間で、近場の厳島湿生公園を一人でぶらぶら歩いた。あまり面白い公園ではないが、生物は豊富だ。トンボがいきかい、池にはカモがいる。桟橋で休んでいるカモを驚かせたくなかったが、桟橋をゆっくり通行しようとすると慌てて池に逃げてしまう。人間に慣れているわけではないようだ

駆り揃えられた芝生にはとんでもない数のバッタがいる。通ろうとするだけでものすごい数のバッタやイナゴが跳ね回る。芝生にこんなにバッタがいるのは見たことがない

公園に来た理由はベンチで横になることだった。座ったり机に突っ伏したりするのと比べて、横になって目を閉じるのは疲労の回復が断然違う。少しでも休むのであれば大の字で倒れたほうよい。

公園では屋根があるベンチスペースに先客がいたので、仕方なく周囲の芝生の上のベンチの中から、平らなものの上で横になった。曇り空だがひさしがまぶしく、帽子で顔を遮った。蒸し暑く木陰で眠りたかったが、十分休めた。寒くなければどんな公園でも楽園のように感じる

午後からは再び給油の配送を始めた。土砂降りの雨が降ったが、大磯までいったところで都合よく晴れて助かった。

大磯の個人宅はとんでもなく面倒な家が一件ある。踏切の下を通り、坂の上の神社のそば邸宅と言えば、地元の人間にはわかる人もいると思う

この家はとんでもなく狭い坂の上にあり、150メートルほどバック走行で侵入しなければならない。狭いだけじゃなく坂道の傾斜もきつく、侵入するのは恐ろしく神経を使うだろう

とんでもなく古い家で築100年以上経過しているように見える。どこの地域にも必ずあるが、竹や藪が育ちすぎて、隠れるように家がある一軒家だった。木でできた立派で大きな門があるが、周囲の木々が育ちすぎて庭がすごい暗い。その様子はお化け屋敷としか形容しようがない。ゲゲゲの鬼太郎のアジトにぴったりの姿をしている。

場所をさらそうかと思ったが止めた。客のプライバシーをさらすことになるし、グーグルマップにもおそらく周囲の画像がない。グーグルマップはあまり道が狭すぎる住居には画像がない場合が多い。とっても利用価値がないし、撮影車が侵入できないからなんだろうが

その家の持ち主は驚くほどごく普通の人の年配の女性が一人いただけだった。玄関にはサンダルが一足しかなく、おそらくこのお化け屋敷に一人で暮らしている。旦那が貯蔵していた50年前の灯油のドラム缶の廃棄を相談された。多分だが旦那に先立たれてこの住居で一人暮らししている。帰り際に麦茶とおしぼりを提供された。見た目も驚くほど普通の普段着で、やはりとても親切な年配の女性だった

あのお化け屋敷に年配の女性が一人で暮らしていると想像すると、畏敬の念が湧いてきた。不便なうえに真っ暗で間違いなく夜は怖い家だ。トイレはおそらくボットン便所で、クーラーとかあるんだろうか?

帰り際も私たちの車が見えなくなるまで見送ってくれた。先輩は複雑な表情でありがた迷惑だと言っていた。ほかの灯油配送業者ならここへの灯油配送は時間がかかりすぎるので引き受けないともいった。

これはその通りだと思う。別の場所に住んだほうが良い。先輩もこの老婆が普通の良い人なので、配送を断わり切れないんだろうなと想像した。正直あのお化け屋敷は誰にもどうにもできそうに思えない。住みたいやつはいないし、修繕もできないので取り壊すしかない。しかし大型車がとても通れないような狭い坂道の頂上にあるのだ。

ほかの個人宅も回ったが、なんでこんな狭くて通りにくいところに家があるんだろうなという配送先ばかりだった。見た目は普通で築年数もそんなに経過しているわけでもない普通の家だが、とにかく道が狭くて難易度が高すぎる

灯油の配送先を見ていると、思わず地元の秦野が良い場所に思えてきた。秦野は古い地域で高低差があり道路も入り組んでいるが、交通量のわりに道が広く視野も広い。神奈川でも意外に車で侵入しやすい地域だと思う。逆に神奈川と言えば横浜や相模原が都会だが、都会ほど交通量が多くて運転が難しくなる

帰りのガソリンスタンドで、先輩は高校生のガソスタの店員にちょっかいを入れていた。おう悪童っと呼びかけると、高校生は健全な青少年ですと、切り替えしていた。こういうおっさんにちょっかいを出されるのは若いのに慣れてるんだろう。おっさんになるととにかく若いやつと絡みたがるなと思った。歳をとるというのは、そういうことだとは理解している

業務は7時30分始業で、18時30分終業した。休み時間を入れて、2時間くらい残業している。一応全然暇な時期なんだが、それでも毎日サービス残業しているようだ

先日私のような有期雇用と個人事業主(一人親方)を交互に行っている場合、idecoに加入できるか?という回答が得られた。楽天証券の有人チャットでたまたま回答を得られたが、厚生年金に加入してない場合、すべて第1号被保険者として申請すればよい、とのことだ

これは教えてgooに質問しても回答を得られなかったことで、idecoの有料ダイヤルで相談しようとしたら、5分以上通話時間がかかっていただろう。たまたまチャットで回答を得られたのは運が良かった