所長と相乗り。ぶっちゃけ所長のコースはぬるいので、一人で十分。だが所長は高圧的な人物なので、目下の私の給油作業を絶対に手伝わない。なので結局私が必要になる

老人宅でポリタンクが置いてあったが、私は給油をためらった。以前定期契約の途中だったので、現金で支払ってくれない可能性がある。所長にその旨告げたら、とっとと給油しろと回答された

ドアベル鳴らしたら留守であることが確定した。所長に不在伝票をおいて素通りしたいと申し出るが、お前何をいってんだとっとと給油しろと命令された

不在の場合つけ払いになるので、親父は不在伝票をおいて給油せずに立ち去るようにしている。後々代金の徴収に訪れないとならないので仕方あるまい

所長ともめたが、この人はお得意様なのでとっとと給油しろと命令された。

結果私が再来週までつける(来週は年始なので休業)て、それでも払ってもらえなかったら、所長が代わりにつけ払いするということに決まった。

私は後悔している。つけ払いは絶対に拒否するべきだった。所長が代わりに代金を支払ってくれるなら給油する、と強弁しなければならなかった。やっぱり自分はひきこもりの雑魚だなと再認識した。社会人たるものもっと強情で高圧的にならないとならない

結局この人物は後で電話してきて、コンビニ支払いの申込用紙をポストの中(客の自宅の)に入れておいたので、それを回収してコンビニ支払いにしてほしいと苦情を入れてきた。なんでお前の会社ポストから申込用紙回収しねーんだよ。前に伝えただろと、苦情を入れてきたのだ

自分はこの客と三週間前に対面したことがあるだけで、その時は所長があれこれやり取りしてたので、さっぱりだった。そもそもコンビニ支払いの申込用紙の受領方法を知らない。郵便か何かで営業所に郵送するものだと思っていたのだ。そのあともちろん所長からお前なんで聞いてねーんだよと、俺のせいにされた

その後給油のよくあるミスをした。給油するポリタンクに残量灯油が入ったが、気づかずに18リットル給油してしまったのだ、あふれ出て道路を汚してしまった

運が悪いことにこの客ポリタンクをポリ袋に入れている客で、ポリ袋が灯油で湿ってしまったので弁償白と言われた。所長は何も言わなかったが、ミスったんだからお前が個人的に弁償するんだよというのは間違いない

この客を訪問するのは年明けの二週間後。それまで宿題にしないとならないと思うと気が重い。忘れたりなにか間違ったポリ袋を持って行ったりしたら、余計に私の弁償は重くなる。ポリタンクに敷いているポリ袋が、また厄介で所長が言うには取っ手がついていて、ゴミ袋に見えないポリ袋、100円ショップに売っているものだそうだ。どんなものかわからないし、所長は間違えたら、私に客が満足するまで買いに行かせるつもりでいる

所長は相変わらず給油作業を絶対手伝おうとしない。ポリタンクへの給油なら一人で十分だが、一軒屋備え付けの貯蔵タンクへの給油は困る。ホースを伸ばしたり巻き取ったりするときに外壁や植木鉢を倒してしまう危険がある。

所長にとっても責任問題になるが、多分なんかあったら俺に全部賠償請求するつもりなんだろうな。所長は俺にとって敵なんだからそう認識する必要がある。業務委託の身分だとまじで請求される可能性が高い

午後からはせっかちなおっさん先輩の相乗りになった。今日は来週が休みということで一年の中でももっとも繁忙期だった。巡回ルートは二時間遅れており、客にまだかという電話が営業所に何度もかかってきたらしい

せっかちおっさん先輩は本当にいじめっ子で、パワハラを何度も受けている。おっせーとかうるせーんだよ、と事あるごとにどなってまともにやり取りできない。ほかの同僚にはそんな態度はしないので、私が舐められてしまっている

一番このおっさんがきらいなのは、給油作業で歩いているときに、走れよおめーはよ!と怒鳴ってくるところだ。自分は全然走ってない。

前職のヤマダ電気でも客に呼ばれたときは小走りと命令されていた。が社員も確かに小走りで走っていたのだ。だがこのおっさんは自分はのろのろ歩いて、おっせーとかとろとろすんじゃねーとか怒鳴ってくる

もう一つ深刻に嫌いなのは喫煙者なのだ。車内にタバコの煙が充満していて、寒いから窓空けんなとか怒鳴ってくる。こんな相手の助手席になるのなんて普通嫌だろ速攻辞めてる。

しかも超めんどくさい相手で、接客に糞うるさくてタバコ臭いうえに、灯油のにおいが大嫌いなのだ。灯油でちょっとでも汚れると怒鳴り散らしてくる。灯油のにおいが嫌いなのに、タバコのにおいはOKという信じられないおっさんだ。こんなおっさんに毎日いじめられながら仕事するのが灯油配送業だ

今日の業務は本当にきつくて、夜の10時までポリタンクを運んでいた。せっかちおっさんは短気でえらそうだが、自分の作業は遅いのでよけいに時間がかかった

結局夜9時に訪れた団地では、ほかのエビス顔先輩や兄貴に力を貸してもらって何とか給油作業が完了した。二人には感謝してやまない。

夜9時を回った時点でポリタンクを運べなくなってしまった。体力の限界なのか、いちいち小休止しないとポリタンクが持ち上げられない。手を貸してもらわないと本当にあと2時間くらい労働時間が伸びていた

しかし本当にこの仕事本当にキツイ。寒いのに重労働、しかも今日は飯抜き(自分だけは10分休憩時間があって、飯を食えた)で15時間も労働してるのだ。いくら何でもきつすぎる。重いポリタンク片手に階段を上るのが、寒くて地獄のように堪える。しかもすぐしょんべん行きたくなって我慢し続けないとならない。今日は3600リットル給油したが、野外で14時間くらい労働し続けないとならない

パワハラもスモハラ(スモークハラスメント)も酷いし、釣銭間違えれば弁償だし、この仕事は本当に辞めたほうがいいと決心した