今日は二件は病院の総務と郵便局の宅配ドライバーの二件の面接がある

病院までは一時間だが、余裕をもって出発した。がそれがあだになって1時間ほど時間をつぶさなければならなかった

面接はいつも余裕がないので、病院の下見をして、どこから入場するのか確認するために付近を歩いて回った。早く行き過ぎて病院内で待っていると、逆に面接官の心象を損ねる可能性がある

ぶらぶら歩いているとふいに悲しくて仕方なくなった。設備の求人は落ちたのはほぼ間違いない。採用する気があるなら先週の金曜日に電話を入れてるはずなのだ

今日が期限日だが、内定の電話が来る可能性はほとんどない。それなのに淡い期待をもって電話がこないか、逐一確認していたのだ。相手企業はすでに落としたことを知っているが、それを知らない私は淡い期待をもって内定の電話が来ないか待っている。

面接官から見れば私は馬鹿だろう。結局職業訓練校でとった四つの資格をなんの役にも立たなかった。悔しくて悲しくて仕方なかった。

前職では精一杯しごきに耐えて、中型免許をとったが、結果はクビだった。私はあの会社の営業所から速やかに消え失せないとならない

これから面接だというのにモチベーションは全くない。面接前からすでに疲れ切ってて、どうせまた落ちるんだろうなというネガティブな感情しかわかない。同級生たちはひきこもってるやつなんていなかったし、40代ともなれば会社の役職を持っているはずだ。いまだにこんな惨めな苦労をしているのは自分だけだ

病院周辺は桜がさくのどかな川原があって、人気もなく広々としていたが、外を歩いているのは寒かった。病院の受付ロビーで時間をつぶした。幸い昼間の休憩時間だったので、誰もいなかった

面接官は20代ぐらいの女だった。ルックスもいいしてきぱき仕事をするが、どこか不愛想な印象を受けた。この女ならオフィスワーク系の仕事ならどこでもすぐに採用されるだろう。私みたいな40代の中年男とは人材的な価値に雲泥の差がある

病院は古いが人気がなく広々としている。面接の場所は広い会議室で、二人で面接するにはあまりにも広すぎる印象だった

面接は一対三の役員との面接だった。設備らしき中年男性と、事務系の一番ベテランと思われるやせた女性が入場してきた。正社員の面接なのですべての職歴について辞めた理由や高校卒業後の空白期間についていちいち説明しないとならない

もう慣れているんだが、とんでもなく度胸と自制心を要求される。答えたくないことを平然と答えなければならない。毎回ヒヤッと動悸が激しくなる

面接の対応自体は50点ぐらいだと自己採点した。ただ職歴が悲惨で短期離職だらけの上に、ペーパードライバーなので、相手の評価は相当低いと予想する。即戦力にならない40代の新人だと見抜いているのは間違いない

そのあとは採用試験だった。これはちょっと経験がないものだった。国語の文章題のテストで、文章を読んで、その通りか、間違っているか、見当違いか、の三つのどれに当てはまるか答えないとならない

漢字のテストなら0点になるところだが、この文章題が難しすぎた。文章が正当かは判断しやすいが、間違っているかと見当違いかの判断が微妙すぎて区別がつかない。私は文系で文章の読解は得意なほうだが、それでも難しい

時間に余裕があるのか、それとも切羽詰まっているのかも判断する余裕がない。文章自体が難解なうえに、いちいち読んでいると時間切れになってしまう可能性がある

さっとだけ読んでとにかく回答だけを埋めることに集中した。この文章題は明らかに難しすぎるので、逆に採用の判断にはあまり関係がないような気がする。文章も80年代くらいの文学のようなもので、誰がこんなつまんない文章題いちいち考案してるんだろうと、ふと気になった

面接の試験は合わせて一時間30分で終わった。時間は2時半で、午後5時に郵便局で面接がある。郵便局までは徒歩で一時間程度だが、やはり時間がありすぎる。前日郵便局の採用担当に、今日は面接が二件あるので、もしかしたら時間に間に合わないかもしれない、と伝えた。が現実は時間が余りすぎて時間をつぶさないとならない

途中の公園のベンチとドラックストアで時間をつぶしたが、寒い。待っている時間が苦痛で、どんどん疲労してしんどくなってきた

郵便局は地方にありがちな大きくて割と新しい建物だった。郵便窓口も明るく広く、利用者として魅力を感じた。窓口の女性職員はきっちり制服に正装して、てきぱき利用者の老人の応対をしている。たしか郵便局の事務員の仕事は最低時給だったが、本当にそんな低い給料でこんな真面目に働いているんだろうか

面接はまず食堂で個人情報と簡単なテストを受けた。これは採用の可否には関係ないと説明された。プリントの資格にひたすら丸や三角を時間内に描き続けるもの、それからひらがなの羅列に”た、ち、よ、こ”の文字が現れたら〇するというもの

最後に資格にレを記入するもの。これは私のミスがあった、チェックマークをひたすら書いてしまったのだ。文章をよく読むと、□の枠内にはみ出さないようにレを描けと書いてあった。時間がないと勘違いしてしまい、文章をよく読んでなかった

面接はやはり会議室で、履歴書を渡してから廊下で20分ほど待たされた。廊下は寒いし人通りがあるので20分待つのが苦痛だった。面接でこんなに待たされた経験はない。事前に履歴書を郵送しなかったので、履歴書の内容を読んでいるんだろう

面接は面接官二人と私一人の形式だった。病院の面接をやった会議室よりさらに広いレクリエーションルームみたいなところで、三人で使うには明らかに広すぎた

面接については高校卒業後なにしていたか、前職を辞めた理由や前職の職務内容まで根ほり葉ほり聞かれた。面接官には答えたくなかったら答えなくてもよい。ただし採用の合否の判断にはするといわれた。聞かれたくないことを答えなかったら、即不採用にするのは予想ができた

面接の時間は一時間程度。パートタイマーの面接にしては手が込みすぎてるなと感じた。これはちょっと合格するイメージがわかない。中型一種を取得しているが、ペーパードライバーであることを正直に申告したので、落ちている可能性の方が高い

ひきこもりを卒業して実際に働いていて学んだことだが、離職率が高いとか時給が安いからと言って、すぐに採用されるとか責任が軽い、ということは絶対にない

5chのバイトいたなら、郵便局のドライバーなんて免許持ってりゃ誰でも受かるでしょ、と回答するだろう。が現実はこんな底辺の仕事だろうが恐ろしく厳格に人を判断する。5chの書き込みと、実際に現場に行ってみたら全然違うなんてことはいくらでもある