アメリカと銃のパラドックス

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アメリカの銃にまつわる八つのパラドックスを紹介する

一つ目。先進国なのに銃だらけ

アメリカは最も豊かな国だが、突出して拳銃の普及が多い
人権が安い途上国ならわかるが、最も豊かな国
それなのに殺傷武器が平然と売られているのだ
しかもGo postalという乱射事件で、毎日大勢の命が失われている
総じて人権の価値が高い国なのに、量産中で易々と殺傷事件が起こる

二つ目。文化と憎しみ

アメリカは建国から銃と共に作られた国
アメリカにとって銃は文化遺産のようなもので、切っても切り離せない関係
またアメリカの国土は広大で、過疎地域では護身用武器が必須になる
暴漢や野生動物に襲われるからだ

その心情と必要事情を知らずに、拳銃を流通させるのはやめよう
となどと言い放つは、危険極まりない愚行である
目の前の人間に「向かって武器を捨てろ」と同義だからだ
銃を憎む人も世界一多いが、銃を憎む人を憎む人も世界一多い

三つ目。勇敢と逃走

馬鹿みたいに見えるが、ローマ式の世界一現実主義の国なので
乱射事件が発生した場合の避難マニュアルはもっとも徹底している
乱射事件の対処法も的確で、交戦してはいけない
隠れて紛争地域から速やかに脱出すること

ここが三つ目のアメリカ人の価値観のパラドックスで
アメリカ人では逃げるやつを腰抜け扱いする
マーベルのようなヒーローでも、颯爽と立ち向かうのが人気がある
逃げるのが最も合理的だが、その姿を見せたくない
面では勇敢さ肯定し、臆病さを非難する
一方現実では交戦する無謀さを否定し、逃走する重要性を説いている

四つ目。売ってるのに最も警戒している

銃の危険性を最もよくわかっているのは、他でもないアメリカ人だ
しかしそれを魅力的にして、手に入りやすくしているのもアメリカ人
最新のモダンカスタム銃が、カタログ販売されてるし
ガンショップでよりどり緑で販売している
そしてそんな愚かな状況にもかかわらず、正義感のある店員が
客に対してやばい奴じゃないかと販売を警戒している

5つ目。人権重視なのにゾンビ好き

科学と人権意識が発達したアメリカにおいて、
なぜゾンビものが普遍的な人気があるかわかるだろうか?
ゾンビって元人間で、さらにそれを銃でやっつけるのは論理的な問題が多すぎる

断っておくがアメリカは表現規制や人種差別が厳しくて
LGBTという強力な政治勢力がないように介入している
私も指摘したくないが、周りの人間を拳銃でやっつけたい
という普遍的な欲求があるだろうと推測している

六つ目。銃は必要だが欲しがる奴はやばい

アメリカの暮らしで銃が必要だが、銃は欲しがる奴はやばい
元々銃は人間や動物を殺すための武器だ。それ以外に用途はない
必要ないに越したことはないが、欲しがる人間が後は絶たない

武器には普遍的な魅力があって、刀をはじめ骨董品として価値がある
実は銃もそうで、強化プラスチック製のモダンライフルは、
プラモデルに似た魅力があるのだ

貴重な金属が使われているわけでもないのに、みんな欲しくて仕方ない
でもそんなかっこいい銃を集めてるやつは、危険人物とみなされる
その銃を周りの人間に使われたら大変なことになるからだ

モデルガンなら安全ではないか?というのは一理ある
しかし人を脅すための武器としては使える
また警察組織としても、本当に全部モデルガンなのか?
と警戒しなければならない
モデルガンコレクターですら、社会にとっては迷惑な存在になる

総じて銃の必要性があるが、銃欲しがる奴は厄介な存在なのだ

七つ目 科学と宗教のパラドックス

論点は飛躍するが、アメリカは世界一科学が発達しているが
カトリック系の信仰者もすごく多い
私は科学と宗教は水と油のようなもので、相いれないものだと考えている
世界中でも迷信深さは世界一だと考えている

なぜそんなに宗教がつよいかという、ずばり必要性だ
銃で死ぬ人間が後を絶たないし、銃の欲望に勝てない人間が大勢いる
それは宗教でしか解決できないことなのだ
悲しみをいやすためには宗教がいるし、欲望を諭すためにはまた宗教がいる

アメリカがカトリックを信仰するのは良いことだと思う
なぜなら神は拳銃をもって人を脅したりしないし
神は拳銃をもって人を脅すような人間を許すはずがない
その正しい理屈を信じるのであれば、信仰は善だと言える

逆に言えば神のタトゥーを彫って、拳銃で人を脅すような人間は
現世に舞い降りた悪魔そのものといえるのだが

八つ目。問題と問題解決

そのアメリカの根深い問題と、問題解決に向かうパラドックスだ
拳銃は依然述べたようにものすごく恐ろしく厄介な存在だ
しかしそれを合理的に解決する手段も、発達させている

監視社会の益という奴で、拳銃の購入と使用は摘発されやすい
購入のデータや、監視カメラの映像、衛星カメラの情報
その発達した情報処理技術で、摘発も世界一されやすいのだ

モダンライフルは前世代より格段に進歩しているが
殺傷力、携帯性、隠密性は頭打ちになっている
拳銃を使った犯罪は、監視し発見する方のほうが有利で
昔のような猟奇連続殺人は起こらなくなった

つまりアメリカの拳銃問題は、アメリカ人自身で
多くの労力と犠牲者を出し、いずれ解決する問題だと言える
隠密性のある殺人ドローンのような存在が出現しなければ
銃という悪は、いずれ正義によって絡めとられていくだろう