マーケティング論
2025年11月24日 更新
日本のweb小説はアミューズメント型だと論じた。普通小説とか創作って作品論で評価するのが普通。
作品論とは対立とか劣勢とか苦境、そして逆転勝利。カタルシスを得るに至るプロセスを評価するものだ
一方アミューズメント型となると、作品論で語るのは相応しくない。なぜかとうと、まず主人公がチート能力持っていてぱぱっと解決。そして敵も味方も全部主人公の引き立て役。そういうストーリーは作品論として見ると最悪。
だがマーケティング論で見ると売れている理由がわかる。読み手にストレスを与えず、快感をすぐに得られるアミューズメント。それが売れた理由だとすぐに結論を出せる
そしてweb小説を作品論ではなく、マーケティング論で分析する理由は、現状webプラットフォームでランキングに上位に来る作品を分析しやすいということ。
たとえば水属性の魔法使いという小説家になろうの大ヒット作がある。前おいておくが、自分はこの作品を全く読んでおらず、内容は全く知らずに語っている。そのため全くまとはずれと言われても否定しない
さて水属性の魔法使いの評価って全然見てない私の推測だとこんな感じだ。よくあるチートスローライフ系で特に見どころがない。コミカライズのクオリティは手抜きで最悪だった。それにも関わらずamazonのユーザーレビューで最高評価を獲得している
おかげでさっそくアニメ化も決まり、一躍有名作品の仲間入りを果たした。このアニメ自体も全く見てないがedgeの実況によると、よくあるなろう系の手抜き廉価アニメだったらしい
だがこれも大評判で、第二シーズンも作られるかもしれない。まあ作品論で見ると、なんで売れてんのかわからない
一方マーケティング論ではこう分析している。男性向けなろう作品でありながら、まったりスローライフを求める女性読者にささった。それが支持される理由だと
その裏付けだが、この水属性の魔法使いの掲載プラットフォーム。現状女性読者ばかりの小説家になろう(男向けなろうが、なろうで現状ランキングに乗る事態異例。
作品の内容はよくあるなろう系で、主人公のモノローグと解説ばかり。しかしスローライフで女性にも受け入れやすい。主人公は男性だが、キャラクターとビジュアルが女性にも受け入れやすい
その三つがかみ合って、なろうにいる女性読者を掘り起して、大ヒットにつながった。しかるに男性読者が喜ぶ要素を入れてしまうと、逆に女性読者の求心力を失う可能性がある
断っておくが男性のハーレム展開が女性に拒絶されるというわけでもない。この辺は書き方次第で、女性の曲線に触れるような描写をするのは危険だが、女好きの男主人公が、女性ファンに受け入れられないわけではないと考えている。複雑だが、BLならいいってわけではなくて、ホモ漫画は女性には受けないという現実がある
水属性の魔法使いは私の評価は非常に低い。だがすごく評価している点もある。主人公のキャラデザは受ける。売れ線として模倣されるべきだと思う
擁護すると最近のなろうテンプレばかりで幼稚といわれている。だが長編系の努力系は昔の定番作に上位取られている。よって即席のアミューズメントが型で勝負するかない事情もある