2025年12月28日 日記

無職転生の一話目を読んで

たまたま無職転生の一話目をなろうで読んだ。実は無料で掲載されてるのを知らなかったのだ

https://ncode.syosetu.com/n9669bk/1/

読んだ感想は思ったよりもよかった。私は何度か無職転生をこき下ろしていたが、一話目を見た感じ、昔の作品だけあって思ったよりもクオリティは高い。2~3流程度のクオリティだと感じた

1流ではないといったのは、ラノベの上位の一般系は描写は事情をもっと調べて細かく書いてくるからだ。無職引きこもりの主人公が冒頭で兄弟から家から追い出され絶縁状を叩きつけられるが、その辺省略しすぎている。実際に引きこもりを家から追い出すには、非常に細かい段取りが必要とされる

いじめられた描写もリアリティが今一つだな。年代的に1990年代ごろ主人公は高校に通っていたと思うが、ヤンキー全盛期ではないので、そんなに派手にいじめられたか思えない

一方よかった点は世相をちゃんと取り入れている。掲載は2010年ごろで、引きこもりが社会問題になっていたニュースになっていた時代だった

次いで主人公がトラックにひかれるいきさつ。ドライバーが居眠り運転していて、通りかかった高校生も、喧嘩してよそ見をしていた。そこを自暴自棄になった主人公が助けようとして、身代わりになって死んでしまう。

完璧にリアリティがあるとは言えないが、ちゃんと不慮の事故に至った経緯については考えてあると言える。

これにより転生した理由についても整合性は感じる。家から追い出され時報時期になっていた。そしてたまたま見かけた高校生を善意で助けた。その善行の結果偶然異世界に転生してもらえたというものだった。

主人公が家から追い出されて社会から絶縁されていたという設定は良い。現実世界に帰るという動機がなく、待っている人もいないはずなので。総じて異世界転生に転生した経緯と動機はまずまずできていると感じる

その後無職転生のエピソードをパラパラと見た感じ、当たり障りのないナーロッパが展開され、全体的に薄いなと思った。最初の一話が面白さのピークではないかと感じた

分類的には2005年にブームになったポスト電車男のような、オタク向けのサクセスストーリーもので、うまく流行に乗れて大ブームになった分析している

私の評価辛らつだが、なろう系の中でトップクラスの完成度だと判断する。一話目はよくできているし、ちゃんと完結しているためだ。

そして2025年のなろうやカクヨムのランキング作品を見て思うが、無職転生よりクオリティはどんどん下がっていると感じる。

いまだに一話目からよくあるトラックにひかれる転生エピソードが、ランキング上位にゴロゴロある。しかも主人公が自暴自棄になって死ぬ経緯が省かれている。クオリティ的には無職転生より明らかに落ちていると感じる

主人公が一話目に現実に死ぬ展開はあまりやるべきではないと感じる。なぜかという今後レーティングが上がる可能性があるからだ。あえて言うが主人公を殺すには、リスクがあるので多大な配慮を要求される。その辺投稿者は無神経すぎると感じる

ラノベ界隈については不思議に思うことがある。CGみたいに年々クオリティが上がっていくわけではない。逆にどんどんシナリオの出来が下がっていると思う。少なくともランキングの一話目を見る限りそう思う

そもそも資料にできる小説は年々増え、さらにLLMやgoogleの検索サービスが利用できる。そのため年々小説のクオリティも上がらなければおかしいのだ。しかし現実は売れてる作品の劣化コピーを繰り返し、クオリティは下がり、量産性がどんどん上がっているようだ

最後になるが私が見た感じ無職転生の原作のIP評価は、今のところ電車男と同等ぐらいだとみなしている。いま電車男はどんな評価かは知らないが、いずれそれぐらいのIP評価に向かっていくのではないかと推測している