対立部族を復讐のすえ討ち取り、カルラディアに逃げてきた武闘派。自ら男爵を騙るロルフを肝が据わっていると好意をもつ数少ない人物。

遊牧民の立場で、領主たちが高額な通行料を取るようになったことを嘆く。またユミラが古い評議会を復活させようとすると、それに出席できない遊牧民たちに重い税が課せられると警告する

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ごきげんよう、旅人よ。ともに杯を交わしませぬか?

もちろんです。私はどんな方と楽しく飲めるのかな?
そのための時間がないな。

私の名はバエシュトゥール。アザベイの子、バザンの孫だ。貴方が田舎者でなければ、この家系を聞くだけで、私が気高き高地カーギットの中でもシャミル族のデュラン派の一家、パンタス谷のウバイン一家であることが分かるかと思う。そして、私が何故故郷を遠く離れているのかを推測できるかもしれない。

周知の通り、私達の一族はハムヤン族と反目し合っていた。そのほとんどが他の谷へ干渉する前に決着を見せたが、双方多くの一族郎党を失うことになった、私の兄弟の2人もだ。この状況を知った大ハーンは、私達に争いを止めるよう命令した。対外戦争のための人員確保が必要だったからだ。

しかし、私には納得できなかった。我が兄弟の血が復讐を願っていたからだ。私は山向こうでハムヤン族を待ち伏せて殺し、その夜の内に谷を抜けたのだ。我が父に別れの言葉すら交わすことも出来ずに・・・。

1、2年。カルラディアで時期が来るのを待っている。ハーンの周囲のほとぼりが冷めたら戻る気でいる。無論、ハムヤンはこの事を忘れないだろう、だがこれは、我が名誉ある代償なのだ。

差し当たって、私のこの剣の腕前で生計を立てる機会を求めているのだ、どんな機会でも歓迎しよう。私は剣を捧げるに足る指導者を求めてこの戦乱の地を渡り歩いてきたのだ。

その心意気や良し!私はその機会を提供できるかもしれない。
はぁ・・・惨めな部族間抗争は野蛮人しか残さないでしょう。

なんと寛大なる申し出であろうか。私は裏切りはしない・・・無論、私への正当な報酬を貴方が支払う限りは、だ。そして勝ち目の無い戦いに、我が毛皮を持ち込むことの無きように。さあ、我が手に塩を。我々の慣わしで、貴方が私の手に盛った塩が私達の主従の契りとなるのだ。

もちろんです。ほら、いくらか塩を持ってきましたよ。
ところがどっこい、こちらとしてももうちょっと礼節のある向きを求めているわけなんでね。

ありがとよ。じゃ、本決まりの前に、400デナル欲しいんだ。父親の教えでね、「バエシュトゥールよ、そなたにふさわしき金を支払わぬ蛮人のためにはけして戦ってはならぬ」ってね。

ふむ・・・そういうことなら、400デナル払おう。一回目の給金だ。

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隊長、ちょっと無礼を許して頂きたい。{s21}ことは良いことではない。長たる者の責務はなんといっても隊に加わった者に対するものであろう。少なくとも食事、俸給、略奪の機会を与えねばならんし、無駄に生命を失わせるなどもってのほかだ。

少しの間、耳を貸していただきたい。マルニドが私をそこらの野盗同然に考えているようなのだ。我が家領を通過する隊商から正当に貢物を取り立てたことがあるというだけでだ。

奴に言ってやったのです、戦士のやりように文句があるなら、坊さんか乞食にでもなれば煩わずにすむとね。いささかきつい物言いではあったがお許し願いたい。マルニドの舌は引っこ抜くのがよかろう。

こないだの戦で戦利品を集めていた時の話だが、敵の荷物の中にまともな鍋があったんだ。冬の間、腹をあっためるシチューを作ってやれたらと日頃から思ってたんだが、うってつけの鍋だった。

ところがカトリンの奴が鍋をつかむなり邪教の食べ物で汚すのは認めんといいやがった。その場は奴に譲ってやったが次は絶対に許さない。

あっぱれな戦ぶりでしたぞ。ロルフはまこと肩を並べて戦うに不足無い漢ですな。奴の素性についていえば、男爵という触れ込みは疑っておるが、あそこまでぬけぬけと言い張るのはかえって好感がもてるというものだ。

脱退

貴方に仕えて以来、私は勇猛かつ忠実に戦ってきた。だが、我が働きにふさわしい扱いをいつも変わらず受けられたとは言えん。よって、故国に戻る次第だ。ハーンの部下たちも昔のことは忘れておるだろうし、父君や同胞の顔を見たいのだ。

{playername}閣下!!閣下の名はますます知れ渡っていますな。山を越えて我が故国にまで鳴り響いておる。私の方はハーンの手下どもが忘れたと決め付けて戻ったわけだがしっかり覚えられておりました。

それどころか故郷の谷に足を踏み入れる前に我が一族から伝言が届き、ハーンとハムヤンの連中が私を付け狙っているとの由。そこで、我が無礼な言葉をお許し頂き、もう一度御元で戦えないかと望みを抱いて舞い戻って来た次第です。

帰郷

閣下、ハルマールが近いですな。低地ステップでは最大の町ですぞ。我が母の姉妹が町人に嫁いだ縁で、私はここの領主に仕えようと心積もりをしておったところに殿と会ったのでした。

元々我らカーギットはここに来ては交易したり、はたまた略奪したりしていた。そして帝国が落ち目になって住み着くようになった。ベージャーやスワディアやロドックやノルドやサランと同じく、皇帝の貢納を受け取って他の部族を追い払うようになったわけだ。

やがて、祖父の時代に大群が我らが故地を襲ったため、力づくでこの地を我が物にした。つまり、ベージャーを押いやり奴らの城塞を我が物としたわけだ。

もちろん、どんな具合になるかは自明のこと。父の代には山向こうの寒い土地で鍛え上げられた戦士だったが、今の代では町中の家に住んだり、所領を抱えたりで、弓の練習もしてはいるが交易にも時間がとられている。

次の代となれば、ヴェルカのワインで腑抜けになって、次に山を越えて来る連中に土地を奪われることは必定だ。それがこの地での定めだったし、これからも変わりあるまい。

山並みの向こう、トゥルガを越えた先の高地で生まれたのだ。だが、{s21}にも親族がおる。
偉大なる{playername}

統治権の主張

良き考えですな、閣下。あなたは人を率いる術を知っていると証明なされた。とはいえ、公正に統治するのを忘れぬように・・・

はい、閣下、支持しましょう。しかし、私のようなステップの人々を代表して、少し言っておかねばなりません。あなたがハーンになったら、古からの権利を復活させる、とその口から宣言していただけたら、我々は大いに喜ぶことでしょう。

古き皇帝たちの時代には、ステップの人々は自分たちの群れを、新たな牧草地や市場へ引き連れる権利を享受しており、それにはどうしても大領主たちの土地を横断する必要がありました。

続けてくれ・・・。
私は{国王/女王}になりたいと言ったわけで、遊牧民の細々した事に巻き込まれたいとは言っていない。

ともあれ、閣下、この悲惨な時代になり、大領主は我らの行き来を妨げるため、高額の通行税を要求するようになりました。それは我ら草原の民にとっては重い負担なのです、閣下。

数週間の時間をいただければ、ステップの人々にあなたが古の権利を復活させると知らせることができます、ええ、そうしたらあなたをハーンとする多くの支持者を得られるでしょう。人々があなたをハーンと呼び始めてこそ、 王位への第一歩を踏み出せるのです。

{playername}閣下・・・あなたとユミラとの会話を、ふと耳にしてしまいました。疑問なのですが、農業を基盤とする諸侯と、交易で稼ぐ商人が、税金を平等に決定できるようになるなら、負担を課せられるのは誰でしょうか?

群れに頼って生きる人々、無論、我らが一族ですよ。私はそうした議会とは関わり合いにならないでしょう、閣下。ハーンの下では全ての自由な人間は、かくあらねばなりません、それが結論です。

情報収集

お望みでしたら、{playername}閣下、私は数日ほど、母の一族の者を訪ねてきましょう。彼らはトゥルガの隊商宿で働いているので、カーギット全土からのニュースを耳にしているのです。諸侯たちの確執や競争についての噂話を聞けるでしょう、あなたが興味あるのならば、ですが。

領土を与える

閣下、{s17}を統治できることを嬉しく思います。私は各地の丘に、我が親族たちに伝えましょう、あなたに仕えることは、名誉ある金銭を得ることにつながると報せるために。彼らはあなたのために戦おうと群れ成してやってくるでしょう。

こんな形で出会うのは、何よりも悲しいです。我々をこの場へ導いた事情については、くどくど言いますまい。いつか和解できる日が来るのを望むだけです。