2023年8月6日。蝉がなく夏の日の早朝
今朝昨日と同じ親子と遭遇した。親子でバスに乗るのは学校の行事か何かに参加するためだろうか。子供は小学生くらいの大きさだがまだ甘えん坊なのか父親にくっついている。座席が空くと父親の代わりに座らせてもらっていた。
ふっくらした坊主の容貌をしていたが、ちらっと顔を見ると意外にもすごく整った顔をしている。女のように。この親父が甘やかす理由がなんとなく分かった。
事務所に到着すると昨日と同じようにハイエースで親父と出発した
一件目のエアコン取付は一軒家。なんか道に迷ったとか予定の変更とかで、親父が運転中に客に電話していた
一軒家につくと早速必要な工具などをおろすよう指示された。自分はここでなんとなくミスしていると感じた。まだ家のインターホンを鳴らしてないので、客が在宅かどうかわからないのだ
違う理由で親父がミスったことが明らかになった。客が向かいの道路ではなく、駐車場に車を止めてほしいと要望してきたのだ。おかげでおろした荷物をまた移動させる手間が増えた
そこそこ大きな一軒家で、作業自体はそんなに困難でもなかった。ただしいっぱい家具があるリビングで、在宅の家族の前でエアコンの取り付けを行わないとならない。この一軒家は新築で、旦那とその年老いた親の世帯のようだった。
まず室外機の設置について教えてもらった。そのあとやることもなく親父のエアコン取付を見守っていた。言われた物を脚立に上った親父に渡すだけである
なにか親父がすげー手間取っている。エアコンの冷媒配管のような金属パイプが分離できないようだ。ものすごい力を混めてへとへとになっている。
なんとか3時間くらいかけてエアコンの取り付けは完了した。これでもすごく早いほうだと感じる。私は工事の内容がよくわからないので、片付けや運搬のような雑用をひたすらこなしていた
二件目はどこか川崎方面の住宅地の一軒家。見た目はよくある一軒家だが中身が迷路のように入り組んでいる。玄関の一番遠い位置に登り階段があるのだ。階段を上るには引き戸を空けてリビングを通って、またドアを開けて廊下を通って階段にたどりつかないといけない
家の外見は立派だがなかは家具がいっぱいで狭い。本当によく吠える小型犬を飼っていて、客が何度も叱っていたが一向にやまない。家族は今時の若者世帯で、ルックスは平均より高かった。
厄介なのはその建物の二階の長女の部屋らしき部屋に、エアコンを取り付けないとならない。室外機の配管は二階の側面壁から降ろすしかない。立てかけ式の脚立を立てない側面壁に立てかけないとならない。
ハイエースのルーフと呼ばれる天井部分に梯子が載せてあるよくあるタイプだが、おろし方が見当もつかない。炎天下のひさしがきつく、外に立っているだけでくらくらする。脚立にのってルーフのおりたたみ式梯子を、結んであるFケーブルを外しておろす方法を教えてもらった。
隣の敷地に脚立を立てかけるので、その旨許可を取ってほしいと親父が客に頼んでいた。客がお隣さんを呼ぶと、通りに面した吐き出し窓から、素っ裸だが、黒のネグリジェで胸を隠した女が横になったまま現れた。どうぞ構わないから使ってくださいと快諾された。
ちょいぶすのすごいエロい女でおっぱいが見えそうなのを、ネグリジェをきて隠していた。それを見て俺はとっさに向こうを向いて離れた。客にクレームをつけられるかもしれないし、業務に集中できなくなる。親父はどうしてたか知らないが、多分ガン見してたと思う
このエアコン取り付けが困難なのはわかっていたので、また兄貴が車で駆けつけて手伝ってくれた。ていうか親父と兄貴はほとんど共同作業してるので、別々の車を運転する必要性を感じない
兄貴がアメリカンドックとファミチキを差し入れてくれたので、12時を回っていたので食べた。しかし炎天下で食べる場所に困った。車内で屑を落としたくないから外で食っていたら、客にクレームつけられるので辞めろと言われた。
車内で急いで食べることにした。アメリカンドックは毎回思うが何が良いのかよくわからない食べ物だ。たいしてうまくないし、アメリカ発祥てわけでもないらしい。ケチャップとマスタードを二つ折りにしてかける容器でかけて食った。次にファミチキをほうばって麦茶で流した
照りつける太陽がとにかく強烈で、うまいと感じられなかった。ただ食べておかないと昨日みたいに昼飯抜きになる。ひさしをさえぎれる場所でゆっくり食べたかったが、人の家が並んでいる住宅地なので場所は選べなかった。昨日は書いてないが、昼休憩なしだった。親父がそれをみて、ちゃんと客と俺に許可とってから食えよと怒られた
エアコン取付は難航していた。部屋の中は狭いし、二階の側面に配管を通すのはすごい苦労があるようだ。二階の部屋で作業している親父のために、室外からもってきたり、持って帰ったりを繰り返した。そのたび小型犬がキャンキャン吠える。犬に吠えられても何ともないが、毎回リビングをとおって、客の邪魔をするのが申し訳なかった
エアコンを取り付ける部屋は長女らしいといった。いかにもいまどきのモダンな家具が、仕事を邪魔するように配置されている。その一画の収納スペースの上に遺影写真と、収納袋に入った骨ツボがまとめてあった。普通はリビングや和室においてあるはず。なんでこんなモダンな長女の部屋に
遺影写真は昭和の髪型の成人男性の色褪せたものだった。もっとマシな写真はいくらでもあるだろうが、ほかに写真がなかったのでこれが選ばれたんだろうか。こんなの部屋におかれるのは長女は絶対嫌がるはず・・・これは長女の父親の遺影写真と骨ツボではないかと直感した。私は結局10秒くらいしかその遺影写真がおかれた一画は見ていない。客のプライバシーに興味を持つべきでない
エアコンの取り付けと室外機の取り付けが終わった段階でトラブルが明らかになった。兄貴が外に設置した配管が左に曲がっている。室外機の設置場所とエアコンのダクト穴の位置をよく図ってなかったらしい。親父に怒られて何とか位置調整して取り繕っていたようだ。
二件目が終わった後に、付近のクリエイトSDに運よくよる機会があった。このドラッグストアはスーパーの価格で昼飯が買えるのだ。フィルムおにぎり鮭としそ昆布と、冷たい麦茶を購入した
3時ごろ、運転する車の助手席でフィルムおにぎりを食って麦茶を飲んだ。なんでこんなにうまいんだろうと思った。梅系はしょっぱくて苦手だが、しそおにぎりはちょうどよい酸味だった。炎天下の中では車内での食べやすさから言っても、フィルムおにぎりがベストだと感じた。ちょっとカロリーが足りないので、高くついてしまうが
親父は運転しきりで昼休憩も昼飯も食べてない。すごい尊敬できるように見えるが、考えを改めた。親父は喫煙者なので昼飯や昼休憩がいらないのだ。自分は喫煙の習慣がないので、この親父に合わせる苦労がいる。食べないのはよくないが、食べると眠くなってしまうのだ。
昼飯を食べた後ゆっくり休めれば、かなり体力と集中力を回復できるが、炎天下の移動ばかりでとても休めるような場所が見つからない。炎天下だと腹が空かなくなるが、無理して食べておかないとそのうち体力が衰えてしまう
三件目のエアコン工事は割合郊外の大きな一軒家だった。庭も道路も広いので作業しやすかった。裕福そうな中年の男性の一人が客だったが、どういう家族構成か想像できない。とりあえず家の中を見たところ結婚して子供がいるようではなく、あまり生活感がない。とにかく広々として整理整頓が行き届いている。そして室内は歯医者の麻酔のにおいが充満している。この情報でどういう家族構成か見当がつく人はいるんだろうか?
作業は兄貴もいて楽だったが、取り付けるエアコンが非常に大きかった。多分12畳以上の大型で、あまり見たことがない。室外機の巨大さが厄介で、横に運ぶことはできるが、持ち上げるのは危険すぎた。
兄貴は一人で車内から出し入れしていたが、職人と一般人では力が違いすぎるなと思った。一応自分ような小型非力の人間でも大きな室外機を持ち上げる持ち方がある。胸と腹の位置で抱きかかえて持ち上げる方法だ。ただしこれは失敗すると途中で腰をやられて大けがにつながる可能性がある。一般人は二人で持ち運んだほうがはるかに楽だ
親父と兄貴が3時間くらい作業して、エアコンの取り付けは無事完了した。帰る途中親父が外履きサンダルを忘れたらしく、客がそのことを電話で知らせてくれたので俺が取りに行った
夜間資材置き場につくと、その日の取り外したリサイクル予定のエアコンとゴミを分別して捨てる。親父は明日必要な資材と、取り付け予定のエアコンを探していた。部材の発注にかなり時間がかかって二時間くらいかかった。
帰り際にさっきの客が私たちにチップを渡してくれたらしい。三人全員に1000円札と1000円のクオカード。すごく珍しいことだと兄貴は言っていた。やはり裕福な男性のようだった
夜の9時ぐらいのようやく事務所に帰宅。バスが少ないのでほとんど歩いて10時に帰宅できた。今日もIphoneSEのライトニングケーブルは買えなかった