今日は正社員くんの相乗りで静岡まで灯油巡回に行った。

営業所があるのが秦野で、なんでわざわざ一時間も高速乗って静岡まで巡回に行くのかわからない。静岡にも実はわが社の営業所があるので、別にうちの営業所が行く必要は全くない。

ガソリンが余計にかかるし、走行距離がかさむので車両も消耗する。おまけに土地勘も全くない

正社員君の話ではわざわざ静岡営業所から、巡回先を神奈川の営業所に分けてもらったらしい。しかも8個もあるので、うちのドライバーは全員週一で巡回しないとならない

静岡の営業所のドライバーが巡回すればいいじゃん。なんでそんな無駄なことするんだ

まあ神奈川近辺に仕事がないので、わざわざ静岡までいって仕事をもらってると想像するが、壮絶な無駄に思える。

静岡の巡回先自体は私にとってはうれしい。古い民家と自然の景観が好きなので。茶畑を初めてまじかに見たが、どの茶畑も整然と角刈りにすきこまれており、規則正しく美しい庭のようだった。よく晴れていたので、大きな富士山をながめることができた

だが巡回自体は最悪で、休み明けで客が多いうえに、助手席に廃灯油がつまったポリタンク受け取りやがった。どうなるかっていうと助手席で常に体育座りしてないとならない。無茶苦茶窮屈なうえに、シートベルト閉められないし、助手席の後ろが見えないので事故のリスクが糞高い。

ドライバーたちにとっては最悪で、道が狭く入り組んでいる、しかも高低差も激しいので、巡回には最新の注意を要する

灯油の配送で古い民家を回っていると気づいたことがある。必ず訪問販売お断りのステッカーが玄関に貼ってあるのだ

こういうの張ってる家って実はいままで見たことがなくて、横浜の実家付近では一度も見たこと覚えがない

訪問販売って今時あるんだろうか?どこで売ってるんだろこれ

正社員君は一緒に仕事しやすい上司ではあるが、それでも相乗りで巡回するにはストレスがたまる

気が向いたときしか手伝ってくれないし、客と世間話をしたがってうっとおしい。ポリタンク運んでくれ。客に話しかけようとして動線ふさがないでくれ

接客の仕事に思えるが灯油入れるだけだし、話すより手伝ってくれたほうがスムーズに給油作業終わるのだ。ぶっちゃけ老人と話すことなんかなにもない。向こうも待たされて寒いし、別にこんな糞さむい時期に外で世間話したいわけではないと思う

タバコは社内でお構いなしにすうし、最近のJPOPを大音量で車内でながす。くっそやかましくて煙たいが、俺は下っ端なのでひたすら我慢しないとならない

正社員君もずいぶん社畜らしくなったものだ。給油量やどれだけコース回れるか、自慢したいようだ。

ぶっちゃけドライバーの立場だといくら給油しても給料は増えないし、肉体労働量が増え疲れるだけだ。コースなんか早く回ったって、仕事さぼってると思われるので、コンビニで時間つぶしてないとならない

ほかのドライバーたちにこれだけたくさん売ったんだぞ、これだけ早くコース回れるんだぞ、ということを自慢したいようだ。一か月くらい前はそんなこと気にしてなかったのに、正社員君もずいぶん社員らしくなったものだ

また正社員君がいちいち給油買う老人たちと世間話したがる理由もわかった。元々コミニケーションがすきなのもあるが、チップやお年玉をたくさんもらえるらしいのだ。巡回先の老人にお年玉一万もらったことを自慢していた。だから仕事そっちのけで老人に話しかけてるわけだ

お調子もんなのは結構だが、社会人としてはえらいやつに説教されたほうが絶対にいいと思う。なにしろ正社員君は世間話しようとして、すでに重大なミスを三件犯している。接客熱心で済まされないと思う

見損なったが、世の一般的な社会人なんてみんなこんなもんなんだろう。俺は事故やクレームなくとっとと営業所に帰りたい。

帰りの車内で、正社員君は声優オタクを自称し、声優のトークラジオを流していた。俺も施工管理時代に知ったが、最近の若いやつは見た目普通のヤンキーでも、だいたいオタク趣味がある。オタクは根暗でヒッキーという時代はとっくに終わってるのだ