ラインスキマニの短時間労働が前日に急遽取れた。場所は徒歩一時間程度の物流センターの荷物取り出し

朝9時から12時まで短時間労働だが、割と時給はよくて1500円。募集は一人だけで、たまたま運よく自分がとれたようだ

物流センターまで徒歩で歩くが、道のりは険しい。国道の車しか通らない道路の歩道を歩いていくしかない。

道路わきに白線で歩行者用の路側帯が描かれているが、通行する車両にとって歩行者は目障りな存在で、いちいちよけないとならない。別に通れないことはないが前後の車両を常に注意しなければならず、傘をさして歩けば無茶苦茶邪魔になってしまう

物流センター付近はトラック用の道路、大きな倉庫、社屋、広大な空地が広がっている。民家や商業地帯がまったくない。地方の物流センター近辺は大体こんな感じなんだろう

物量のシャッター倉庫には大型トラックが停車しており、それに積まれたカップラーメンの段ボールを積み下ろす作業だった。カップラーメンの段ボールがトラックの二台にぎゅうぎゅうに積まれているので、それをフォークリフト用のパレッドに手で乗せるのが自分の仕事だった

自分の仕事を教えるベテランは太い運送業風の男だった。見た目とは裏腹に高圧的でオらついた人物で、とろとろすんな、頭使え、何度言ったらわかるんだと、ガンガン叱ってくる

建設の職人は危険があると大声で怒鳴るが、この男はそういう良心は感じられない。オラオラ系の中でも特に酷い人物で、弱そうな奴を虐めるのを慣れている。以前にたような人物を20年前のコンビニ勤務、スーパーマーケットの品出しに見たことがあり、底辺作業に一定数いる嫌な奴だと思われる。

私自身そういった人物に散々いじめられて、トラウマになってひきこもった経験がある。結局自分の貴重な人生を、この手のヤンキーに破壊されたと言っても過言ではない

倉庫作業はやったことがないが、私の仕事は段ボールをパレットにレンガ風に崩れないように積んでいくものだ。これも崩れない置き方があり、その通りにてきぱきやらないと、お前なんどいったらわかんだよ。お前頭使えよ。とか酷い叱責を受ける

段ボールの重さ自体はそうでもないが、3時間一切休みなしでてきぱきやるのはそこそこしんどい。一番きつくて障害になったのは一番上の段の段ボールを抜き取る場合である

コンテナの中は高さ2メートルぐらいあり、段ボールが積まれているので、上を抜き取らないともちろん下の段ボールも取れない。自分の身長より高い180センチくらいの場所から、20キロぐらいの段ボールを抜き取らないとならない。指先の力だけではびくともしないし、落としたら自分の顔面に直撃してしまう。

今日はメガネを掛けていったが、自分の判断でメガネはしまった。顔面に食品が入った段ボールが落ちてきたら、メガネは確実に破損してしまう

この高所から段ボールを抜き取る作業が本当にきつくて、無茶苦茶な力と体力がいる上に、落下させたら商品を破損してしまう。踏み台があれば相当楽なんだが、そんなもの使わねーんだよ、と言われた。

このきつさと危なさは想像を絶しており、はっきり言って二の腕の力だけでは段ボールを支えられない。落とさないほうがはっきり言って奇跡で。落とすたびに、お前何度落とすんじゃねーっていんてんだよ。落としたらお前の給料から弁償だからな!とありがたい講釈をいただいた

この作業はいくら何でも危険すぎるし、腕の負担が半端ではない。本当に腕が上がらなくて、段ボールをおろせなくなってくる。踏み台を使って、下にいる相方が段ボールを受け取った方がはるかに安全で楽だと思う。が底辺職場ではそういうぬるい考えは通用しない。そんなもん一人でできるだろ!とっととやれよ使えねーな!といわれて終わりである

てかこのベテランのヤンキーも段ボールを高所から落として顔面に直撃しているのを見た。幸い痛いだけで鼻血が出ずにすんだようだった。だがこの作業はこのベテランヤンキーですら危険で、安全管理にかなり問題があるように感じた。少なくともメガネは絶対に外したほうが良い。ぶっ壊しても一円も弁償してはくれまい

結局体力的てきな消耗だけでなく、筋力の負担もすさまじく、おまけにオらついたヤンキーの叱責も酷くて、今のところ一番キツイ仕事だった

救いは、時給だけはよかった。交通費とラインスキマニの1000円ボーナスも含めると、時給2000円になる計算だった

終業するとまた一一時間かけて帰路について、酷い消耗と心身的なトラウマでしばらく震えていた。そのあと疲れ切って寝てしまった