今日は焼却施設に赴任して最初の出勤日となる。

近頃すっげえ不眠症に悩まされているうえ、新しい仕事場に行くのは想像を絶するストレスがかかる。

今までの職場で学んだことを実践した。職場の先輩一人声をかけて名前を尋ねて、自分の名前を伝えた

ものすごい嫌で仕方なかったが、ヤマダ電気時代の教訓がある。「お前なんで職員全員に自己紹介しねーんだよ。これからおせわになる同僚なんだから、自己紹介すんのは当たり前だろ。」と言われ事がある

すげえいやで仕方なかったが、いやいややっていたら、「お前俺は全員に自己紹介しろっていったろ?ちゃんとやってねーだろ」と因縁つけられた

その後なんだが、店長に注意された。「職場のみんなとコミニケーション取ろうよ。みんなあれで良いやつなんだから。そんな君一人だまってたら仕事になんないでしょ?」と注意された。他人には私の気持ちはわからないと思うが、絶望的な気分になった

ヤマダデンキはその時に無能扱いされるようになって、パソコン販売スタッフから電話番に降格を告げられた。時給減と接客はしないようにと命令が下った。悔しくて悲しくて、前職の灯油配送業に転職を決めた。

ヤマダデンキは雇用期間が一年あり、その途中で辞めてしまうと短期離職とみなされる。当然のことだが短期離職は雇用主からの評価が下がるので、次の就職はずっと難しくなってしまう。理想を言えば一年間我慢して務めるのがベストだったが、あそこで働くことをギブアップしてしまった

話は新しい仕事場に戻るが、そういう教訓があるので、必死で一人づつに自己紹介して名前を聞いたのだ。ぶっちゃけ営業ならともかく、設備のようなぬるい職場でそこまでする奴ってあんまりいないと思う。でも私は昔の経験がトラウマになって、必死になって行動することを余儀なくされた

長々と思い出を語ったが、初日の仕事内容自体はとてもつまらないものだった。会社の業務で必要とされる安全講習を有資格者の副所長から、四時間受けた。個室でテレビを視聴しながらテキストを読んでもらって、私は何度も相槌を打った。途中寝不足で気絶しそうになったが、手の甲に何度もボールペンをぶっさして事なきを得た

職場から家までは遠目で片道通勤一時間30分程度かかる。辛いといえばそうでもない。別に満員電車に揺られてるわけでもないし、家に早く帰っても電検三種のテキストを嫌々読むしかない

帰り道バスの窓からのぞく、駅前の過密地帯と、灰色の暗い空から注ぐ冷たい雨は絶望的に調和している。まるで私の心の中の景観そのものだった