労働審判で横浜地方裁判所まで行ってきた。久々の外出だったので2時間の移動時間が酷く堪えた。慣れないスーツで寒くて凍えるし、革靴の靴擦れで靴下のくるぶし部分が真っ赤に染まっていた

近視が進みすぎてまともに看板が見えないし、電車に乗っていると不安と悲しみで落ち着いていられない。周りの通勤者を見ているとひがみや絶望感を味わう。彼らには仕事があって社会から必要とされている。まるで同じ人間に見えない

厚木駅を通り過ぎると、前職の通勤を思い出していた。首になんなきゃ今頃毎日電車にのってこの駅を通り過ぎていたはずだ。悲しい考えばかり思い浮かぶ

横浜地方裁判所に来るのは初めてだった。ボディチェックをうけて中に入場するが、厳重で使われてない部屋が沢山あった。ここに努めている職員は公務員の中でもエリートに属するはず

館内の待合室から横浜スタジアム周辺が一望できる。都会って本当に嫌いで気分が悪くなるし、外下を一望すると高所すぎて恐ろしくなってくる

訴えた派遣会社の営業に出会った。もう合わないと思っていたが、この労働審判の会社側の担当だった。まあ当たり前か職場について知っているのは派遣会社でもあいつしかいない。見つからないように顔を背けていたが、目ざとく気付いて挨拶された。しかも弁護士の先生の紹介までされた。私と対立しているという関係だが、いやに丁寧で気分が悪くなってくる。

会議室で円卓のテーブルに座って、会議形式で質疑応答が行われた。例の派遣の営業がずっとしゃべっていて場を支配しているように見えた。はたから見れば私はフリに思えた。不当解雇が却下されるかもしれない

その後原告側と裁判官とのやり取りでは、会社側の資料提供が遅すぎることに不信感を抱いているようだった。弁護士は私におおむね有利に運んでいるとは言っていた。最後お互いに次の法廷の時間を打ち合わせて終わった。お互いに忙しすぎて、日時を上げてもなかなか都合の良い日にちが決まらなかった

自分の全然知らない世界でどっと疲れた。その後二時間かけてようやく家に帰った。そのあと雇用保険の仮受給手続きに行った。不当解雇を争っているときは雇用保険を受け取らないほうがよい、と書いてあったが仮受給なら問題ないと言われたのだ。正直いまさら言うなって感じ。失業してから三か月以上たってるんだが。

労働審判の初日では、請求する金額と雇用保険の仮申請について聞いてなかったのは明らかに失敗だった。自分が調べなかったのが悪いが、私は素人だし、この弁護士も気が気なすぎる。

電話でハローワークに仮受給に必要な書類について聞いたが、特にないといわれた。多分仮申請についてよくわかってないようだった

電車に乗ってハローワークに行ったが、前々職の離職票を持ってきてなかった。そのせいで次の来所のときに持ってくるようにと念を刺された。あとで電車の中で鞄を調べていたら、なぜか前々職の離職票を持っていた。自分が持ってきたのを気づかなかったらしい。

雇用保険の申請が遅れたのも、離職票持ってたのに気づかなかった、何もかも失敗続きだった。不安と後悔にとらわれたが、いつも始めはうまくいかないものだと自分に言い聞かせた