なろう系は現在web小説の主流だが、その明確な定義はない。
ラノベや悪徳令嬢、女性向けとどう違うのか問うと、そんなに明確な違いはない
ずばりなろう系とは何かというと、こんな主人公になりたい、という小説をなろう系と定義するからだ

最近の売れているweb小説は、そのなろうの定義を明確になぞり、ベストセラーに至っている
具体的に平凡で周りに評価されない主人公が、実は自分だけのスーパースキルを持っていて、嫌味や悪役をギャフンといわせ、周囲から絶賛され、すごい仲間やヒロインがよりどり緑になる。
そのあとスローライフや水戸黄門のような道中記に突入し、読者人気が無くなっていつの間にか続きが書かれなくなる
そんな感じのストーリーが現在なろう系である

一方ドラゴンボールの悟空とか、ガンダムのアムロみたいな、金字塔の作品の主人公はなろう系なのか?と言われれば違う
一般的な現代人とはかけ離れているし、そういったスーパースターには恐れ多くてなりたいと思えない。
また完結している作品は、完結しないなろう系とは一線を画してしまうのだ。
そんな感じで、なろうと非なろう系は作品が分かれ、勢力やファン層も異なるので、どれでもなろう系に定義されるということは全くない

またなろう系は年代によって物語が移り変わっていく
具体的に最古のなろう系と言えばシンデレラだ。
当時の女性たちがこんな主人公になりたい、という姿を描いたのがシンデレラで、当時はなろうけいだったと言える。
じゃあ現代ではなろう系と言えるのかというと全然違う。なぜかというと現代人はシンデレラにはなりたくないからだ

現代女性は王子様に結ばれることにあまりあこがれを持たない
シンデレラの奴隷召使のような境遇も悲惨すぎてドン引きする
そしてシンデレラがかぼちゃの魔女の魔法で解決してもらう、という立場は嫌だ
なぜかというとかぼちゃの魔女のほうが立場は上で、シンデレラはそれに従属しなければならないからだ
シンデレラを現代風に変えるには、シンデレラを誰も取得できないスーパースキルをもっていた設定にする必要がある
錬金術とか経営力とか未来をすべて知っているとか、金を生み出せるスキルを持っているのが望ましいだろう
でそんなスキルをもったシンデレラがどんなストーリーを展開するのかというと、王子様は実は悪役で、シンデレラを利用しようと近づいてきた
そこを頭脳明晰なシンデレラは見抜き、Sランクスキルで撃退し、王子ざまあ展開にする。
王子を撃退した後は、仲間集め、神獣をペットにし、スローライフ編に突入するなどすれば、よりなろうらしいだろう

そんなシンデレラストーリーを読んだ読者は、
なんでそんなスキル持ってるくせにEランクなんだよ。
シンデレラ苦戦する要素まったくねーじゃねーか。
シンデレラが解説と戦闘全部やってるから、他のキャラいらねーじゃねーか。
おいエタって完結しねーのかよ。
などとありふれた批判を口にしつつも、熱狂的なファンの支えで1000万部突破するわけだ