web小説界隈の暗黙の了解

全web小説プラットフォームでは、ランキングに若年層向けのライトノベルしか存在しない。
ライトノベルというのはどういうものかというと、これといってテーマを持たない小説だ。つまりなろう系とか恋愛系は全部ライトノベルに含まれる
以外にもバトルものやギャンブル系は、主人公が苦戦するという明確なテーマがあるため、ラノベには相応しくない
そういうラノベ系しかランキングに入れないという暗黙の了解がある。金とか強さとか地位とか、そういう明確な目的やテーマ性があるものはランキングに入れない

この暗黙の了解はいろいろある上に、さらにプロやランカーの人しかほとんど知らないらしい。
主人公の人物像やヒロイン像、苦戦しちゃいけないとか、異性の配置から悪役のキャラクタ像など、いろいろな作法があるらしい。
また小説の文法についても国語教師並みにうるさく、教科書通りなぞらないと減点されてランキングに入れない
この辺の陰湿さと厳しさは本当に日本らしいと感じる。そもそもそんなもの影も形もないのに、陰で批判を繰り返している。そしてそれを察しないとランキングに上ることができない

そういう封建的な形式のおかげで、今のweb小説界隈と商業作品がある。つまり商業もwebプラットフォームも、なろうと悪徳令嬢ばかりなのは、その小説界隈の裏の法のおかげなのだ

皮肉な話だが、その厳格で堅苦しい小説の作法のおかげで、低俗ななろう作品が量産され、一般人たちはそれを知ることもない。忍者や大奥のような世界の話しだ
だが海外のwebプラットフォームにとっては、吉日でもある。

なぜかというと、日本のラノベコンテンツはコミカライズの技術のおかげで、世界一だが、一方原作の求心力は皆無だ。
日本のウェブ小説は収益性だけを追い求め、質が一切向上しない。その停滞により海外の小説プラットフォームが徐々に成長してしまったのだ
ニコニコ動画みたいに日本の小説家になろうやカクヨム先行者であった。web小説は実は日本が本場で、英語勢は後追いの立場にある。が今では日本を超える巨大なwebサービスに成長しており、特に日本の優位性は見られなくなった

ひとえに日本のラノベ産業が世界をざかんできたのは、日本の漫画が世界一だったからだ。別になろう小説が世界一優れていたわけではない
いや一昔前は優れていたのかもしれないが、いつまでたってもなろうのテンプレをなぞるばかりで、質が向上しないので、簡単に模倣されるようになった

web小説界隈でAI脅威論が一切なかった理由

絵師業界でAIの盗作が問題視されていた。勝手に絵柄パクったうえに、客を取ってしまうからだ
一方Web小説界隈ではそういった話題は一切ない。AIの進歩などどこ吹く風だ
その理由は実績のあるWeb小説家は、自分の小説技術はAI模倣できないと考えているからだ
web小説プラットフォームのランキング入りには、数々の暗黙の了解があり、それを理解してないAIの小説を絶対に採用しない
ランキングに入るには、AIに頼らずに自分の小説技術が必要だと認識しているのだ
実際これは事実で、現状の人気web小説家のランキングを狙う技術は世界一で、AIにも模倣できないだろう

ただしそれは慢心出会って、別の問題に気づいていない。
web小説家はアフィリエイターなので、想像力が乏しいので気づくはずがあるまい
コミックライターやアニメ制作会社は、web原作家をリストラしたいと考えていることだ
理由はいくつがあるが、まず商業的な理由でマージンを払わなくて済むこと
AI作画が導入されており、AI原作のほうが連携がスムーズで親和性が高い
原作をAIが書いてくれば、原作家の都合は無視できるのでスムーズに進行する
そして最後の理由。映像化界隈でweb小説家は人気があるが実力不足と軽視されていることだ

どのように実力がないかといわれると、web小説家の小説って解説とモノローグで字数を稼ぐため、映像化するには多大な助力を必要とする
台詞や描写が乏しいので、映像化にかかわるクリエイターが代わりに書かないといけないのだ
結果web小説家はネットで人気はあるし、それを目当てで採用するが、原作者としての実力は疑問となる

制作や漫画も商業目的のプロなので、少しでも制作にかかわることコストは減らしたい。
そしてAIが書いた映像作品の人気があれば、原作を自分たちのものにできる
漫画家やアニメ制作会社は、web小説家のリストラに興味津々だろう
で、人気のweb小説家たちは、自分は実力があって人気がある。出版社とのコネがあるから安泰だと考えている
たぶんそれは大きな慢心だ

web小説プラットフォームの作品が映像化に至らないとなると、web小説自体の求心力を失う
さらに現状どの小説プラットフォームも、ランキング上位の作品は似たようなラノベなので、まとめて求心力を失って衰退してしまうのだ
そうなるとweb小説から商業プラットフォームになり上がった作家たちの求心力自体も危うくなる
ただし現実にこれが起こっても大した問題にならない
駆逐されるのはweb小説家たちだけであって、映像化プラットフォームと読者は無問題なので、いままでのなろう界隈は問題なく継続する