h29a1ボイラーの水循環について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 水循環が良いと熱が水に十分に伝わり、伝熱面温度は水温に近い温度に保たれる。
  2. 丸ボイラーは、伝熱面の多くがボイラー水中に設けられ、水の対流が容易なので、特別な水循環の系路を構成する必要がない。
  3. 水管ボイラ-は、水循環を良くするために、水と気泡の混合体が上昇する管と、水が下降する管を区別して設けているものが多い。
  4. 自然循環式水管ボイラ-は、高圧になるほど蒸気と水との密度差が大きくなり、循環力が強くなる。
  5. 水循環が不良であると気泡が停滞したりして、伝熱面の焼損、膨出などの原因となる。

④蒸気は、圧力が高くなるほど、蒸気泡が圧縮されて密度が大きくなる。よって、水と蒸気の密度「差」は小さくなり、循環力は低下。

h29a2 ボイラーの燃焼室、伝熱面及び燃焼装置について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 燃焼室は、燃料を燃焼し熱を発生する部分で、火炉ともいわれる。
  2. 燃焼装置は、燃料の種類によって異なり、液体燃料、気体燃料及び微粉炭にはバーナが、一般固体燃料には火炉子などが用いられる。
  3. 燃焼室は、供給された燃料を速やかに着火、燃焼させ、発生する可燃性ガスと空気との混合接触を良好にして完全燃焼を行わせる部分である。
  4. 加圧燃焼方式の燃焼室は、気密構造となっている。
  5. 燃焼室に直面して火炎などから受けた放射熱を水や蒸気に伝える伝熱面は、接触伝熱面といわれる。

⑤燃焼室に直面して火炎などから受けた放射熱を水や蒸気に伝える伝熱面は、放射伝熱面といわれる。
接触伝熱面とは、燃焼室を出た高温ガスの通路に配置され、主として接触により受けた熱を水や蒸気に伝える伝熱面

h29a3 丸ボイラーと比較した水管ボイラーの特徴として、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 構造上、低圧小容量用から高圧大容量用まで適している。
  2. 伝熱面積を大きくとれるので、一般に熱効率を高くできる。
  3. 伝熱面積当たりの保有水量が大きいので、起動から所要蒸気生までの時間が長い。
  4. 使用蒸気量の変動による圧力変動及び水位変動が大きい。
  5. 給水及びボイラー水の処理に注意を要し、高圧ボイラーでは厳密な水管理を行う必要がある。

③伝熱面積当たりの保有水量が小さいので、起動から所要蒸気発生までの時間が短い
一般に水管ボイラ-は丸ボイラーに比べて保有水量は1/2以下

h29a4 暖房用鋳鉄製蒸気ボイラーにハートフォード式連結法により返り管を取り付ける目的は、次のうちどれか。

  1. 蒸気圧力の異常な昇圧を防止する。
  2. 熱伝達率を向上させる。
  3. 不純物のボイラーへの混入を防止する。
  4. 低水位事故を防止する。
  5. 燃焼効率を向上させる。

④低水位事故=水位が安全低水面以下になった時、超高温によるボイラー変形、膨出、き裂、圧かい、破裂等

h29a5 ボイラー各部の構造及び強さについて、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 胴板には、内部の圧力によって引張応力が生じる。
  2. 胴と鏡板の厚さが同じ場合、圧力によって生じる応力に対して周継手は長手継手より2倍強い。
  3. だ円形のマンホールを胴に設ける場合には、長径部を胴の軸方向に配置する。
  4. ガセットステーを取り付ける場合には、鏡板への取付部の下端と炉筒との間にブリージングスペースを設ける。
  5. 管板には、煙管のころ広げに要する厚さを確保するため、一般に平管板が用いられる。

③だ円形のマンホールを胴に設ける場合には、短径部を胴の軸方向に配する

h29a6 ボイラーの水面測定装置について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 貫流ボイラーを除く蒸気ボイラーには、原則として、2個以上のガラス水面計を見やすい位置に取り付ける。
  2. ガラス水面計は、可視範囲の最下部がボイラーの安全低水面と同じ高さになるように取り付ける。
  3. 丸形ガラス水面計は、主として最高使用圧力1MPa以下の丸ボイラーなどに用いられる。
  4. 平形透視式水面計は、ガラスの前面から見ると水部は黒色に見え、蒸気部は白色に光って見える。
  5. 二色水面計は、光線の屈折率の差を利用したもので、蒸気部は赤色に、水部は緑色に見える。

④平形透視式水面計は、裏面から電灯で照らし、光を通過させて水面をはっきり見えるようにしたもの。説明は平形反射式水面計

h29a7 ボイラーに空気予熱器を設置した場合の利点に、該当しないものは次のうちどれか。

  1. ボイラー効率が上昇する。
  2. 燃焼状態が良好になる。
  3. 炉内伝熱管の熱吸収量が多くなる。
  4. 水分の多い低品位燃料の燃焼効率が上昇する。
  5. 通風抵抗が増加する。

⑤通風抵抗が増加するのは利点ではない

h29a8 ボイラーの給水系統装置について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. ボイラーに給水する遠心ポンプは、多数の羽根を有する羽根車をケーシング内で回転させ、遠心作用により水に水圧及び速度エネルギーを与える。
  2. 渦巻ポンプは、羽根車の周辺に案内羽根のない遠心ポンプで、一般に低圧のボイラーに用いられる。
  3. ディフューザポンプは、羽根車の周辺に案内羽根のある遠心ポンプで、高圧のボイラーには多段ディフューザポンプが用いられる。
  4. 渦流ポンプは、羽根車の周辺に案内羽根のある遠心ポンプで、低圧のボイラーに用いられる。
  5. ボイラー又はエコノマイザの入口近くには、給水弁と給水逆止弁を設ける。

④渦流ポンプは、外周に放射状の水室がある羽根車をもつポンプで、小容量の蒸気ボイラーの給水ポンプなどに用いられる。

h29a9 ボイラーの圧力制御機器について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 比例式蒸気圧力調節器は、一般にコントロールモータとの組み合わせにより、比例動作によって蒸気圧力の調節を行う。
  2. 比例式蒸気圧力調節器では、比例帯の設定を行う。
  3. オンオフ式蒸気圧力調節器(電気式)は、蒸気圧力によって伸縮するベローズがスイッチを開閉し燃焼を制御する装置で、ボイラー本体に直接取り付ける。
  4. 蒸気圧力制限器は、ボイラーの蒸気圧力が異常に上昇した場合に、直ちに燃料の供給を遮断するものである。
  5. 蒸気圧力制限器には、一般にオンオフ式圧力調整器が用いられている。
③ベローズに高温蒸気が直接入ることを防止するために、直接本体に取り付けないで、水を満たしたサイホン管を用いて取り付ける

h29a10 ボイラーの自動制御について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. オンオフ動作による蒸気圧力制御は、蒸気圧力の変動によって、燃焼又は燃焼停止のいずれかの状態をとる。
  2. ハイ・ロー・オフ動作による蒸気圧力制御は、蒸気圧力の変動によって、高燃焼、低燃焼又は燃焼停止のいずれかの状態をとる。
  3. 比例動作による制御は、オフセットが現れた場合にオフセットがなくなるように動作する制御である。
  4. 積分動作による制御は、偏差の時間的積分に比例して操作量を増減するように動作する制御である。
  5. 微分動作による制御は、偏差が変化する速度に比例して操作量を増減するように動作する制御である。
③比例動作は、偏差の大きさに比例して操作量を加減するように動作する制御×積分動作による制御の説明

h29a11 ボイラーのばね安全弁及び逃がし弁の調整及び試験について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 安全弁の調整ボルトを定められた位置に設定した後、ボイラーの圧力をゆっくり上昇させて安全弁を作動させ、吹出し圧力及び吹止まり圧力を確認する。
  2. ボイラー本体に安全弁が2個ある場合は、1個を最高使用圧力以下で先に作動するように調整し、他の1個を最高使用圧力の3%増以下で作動するように調整することができる。
  3. エコノマイザの逃がし弁(安全弁)は、ボイラー本体の安全弁より高い圧力に調整する。
  4. 最高使用圧力の異なるボイラーが連絡している場合、各ボイラーの安全弁は、最高使用圧力の最も低いボイラーを基準に調整する。
  5. 安全弁の手動試験は、常用圧力の75%以下の圧力で行う。

安全弁の手動試験は、最高使用圧力の75%以下の圧力で行う。常用圧力とは、定常運転時に使用される圧力のことをいう。いつもより弱い圧力で安全弁の試験をすることになってしまう

h29a12 ボイラーのたき始めに燃焼量を急激に増加させてはならない理由として、適切なものは次のうちどれか。

  1. 高温腐食を起こさないため。
  2. ホーミングを起こさないため。
  3. スートファイヤを起こさないため。
  4. ウォータハンマを起こさないため。
  5. ボイラー本体の不同膨張を起こさないため。

たき始めに燃焼量を急激に増加すると、ボイラー本体に部分的な膨張(不同膨張)が起こる。大きな熱応力を生じさせ、水管や煙管の取付け部などから漏れを起こす原因となる

h29a13 ボイラーの運転を停止し、ボイラー水を全部排出する場合の措置として、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 運転停止のときは、ボイラーの水位を常用水位に保つように給水を続け、蒸気の送り出しを徐々に減少する。
  2. 運転停止後は、ボイラーの蒸気圧力がないことを確かめた後、給水弁及び蒸気弁を閉じる。
  3. 運転停止後は、ボイラーの蒸気圧力がないことを確かめた後、給水弁及び蒸気弁を閉じる。
  4. 給水弁及び蒸気弁を閉じた後は、ボイラー内部が真空にならないように、空気抜き弁を開いて空気を送り込む。
  5. ボイラー水の排出は、ボイラー水がフラッシュしないように、ボイラー水の温度が100℃以下になってから吹出し弁を開いて行う。
ボイラー水の排出は、ボイラー水の温度が90℃以下になってから行う。
フラッシュとは、排出したボイラー水が大量の蒸気になる現象のこという。100℃は水の沸騰温度なので、もっと下げないとフラッシュが起こる

h29a14 次のうち、ボイラー水の脱酸素剤として使用される薬剤のみの組合せはどれか。

  1. 塩化ナトリウム    りん酸ナトリウム
  2. りん酸ナトリウム   タンニン
  3. 亜硫酸ナトリウム   炭酸ナトリウム
  4. 炭酸ナトリウム    りん酸ナトリウム
  5. 亜硫酸ナトリウム   タンニン

ボイラー水の脱酸素剤として使用されるのは、ヒドラジン亜硫酸ナトリウムタンニン

h29a15 ボイラー水の間欠吹出しについて、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 炉筒煙管ボイラーの吹出しは、ボイラーを運転する前、運転を停止したとき又は燃焼が軽く負荷が低いときに行う。
  2. 鋳鉄製蒸気ボイラーのボイラー水の一部を入れ替える場合は、燃焼をしばらく停止しているときに吹出しを行う。
  3. 水冷壁の吹出しは、運転中に行ってはならない。
  4. 吹出し弁を操作する者が水面計の水位を直接見ることが出来ない場合は、水面計の監視者と共同で合図しながら吹出しを行う。
  5. 吹出し弁が直列に2個設けられている場合は、漸開弁を先に開き、次に急開弁を開いて吹出しを行う。

吹出し弁が直列に2個設けられている場合は、急開弁を先に開き、次に漸開弁を開いて吹出しを行う。急とつくほうを先に開く

h29a16 ボイラー水位が安全低水面以下に異常低下する原因となる事項として、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 気水分離器が閉塞している。
  2. 不純物により水面計が閉塞している。
  3. 吹出し装置の閉止が不完全である。
  4. 蒸気を大量に消費した。
  5. 給水弁の操作を誤って閉止にした。

気水分離器は、ボイラーの胴やドラムの内部に設置して、乾き度の高い蒸気を得るためのもので、ボイラー水位の異常低下の原因とはならない

h29a17 ボイラーの点火前の点検・準備について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 水面計によってボイラー水位が高いことを確認したときは、吹出しを行って常用水位に調整する。
  2. 験水コックがある場合には、水部にあるコックを開けて、水が噴き出すことを確認する。
  3. 圧力計の指針の位置を点検し、残針がある場合は予備の圧力計と取り替える。
  4. 水位を上下して水位検出器の機能を試験し、設定された水位の下限において正確に給水ポンプの停止又は調節弁の開閉が行われることを確認する。
  5. 煙道の各ダンパを全開にしてファンを運転し、炉及び煙道内の換気を行う。

水位を上下して水位検出器の機能を試験し、設定された水位の下限において正確に給水ポンプの起動又は調節弁の停止が行われることを確認する。

h29a18 ボイラーのスートブローについて、誤っているものは次のうちどれか。

  1. スートブローは、主としてボイラーの水管外面などに付着するすすの除去を目的として行う。
  2. スートブローの蒸気は、ドレンを抜き乾燥したものを用いる。
  3. スートブローは、燃焼量の低い状態のときに行う。
  4. スートブローは、一箇所に長く吹き付けないようにして行う。
  5. スートブローを行ったときは、煙道ガスの温度や通風損失を測定して、その効果を確かめる。

スートブロー(すす吹き)は最大負荷よりやや低いところで行う。燃焼の低い状態で行うと通風を乱し、火を消す恐れがある。

h29a19 単純軟化法によるボイラー補給水の軟化装置について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 軟化装置は、補給水を強酸性陽イオン交換樹脂を充填したNa塔に通過させるものである。
  2. 軟化装置は、水中のカルシウム及びマグネシウムを除去することができる。
  3. 軟化装置による処理水の残留硬度は、貫流点を超えると著しく減少してくる。
  4. 軟化装置による処理水の残留硬度が貫流点に達したら、通水を止め再生操作を行う。
  5. 軟化装置の強酸性陽イオン交換樹脂の交換能力が低下した場合は、一般に食塩水で再生を行う。

軟化装置による処理水の残留硬度は、貫流点を超えると著しく増加してくる。
貫流点とは、樹脂の交換能力がなくなる点の事。軟化装置とは硬度成分を樹脂に蓄積させて減少させるもの。
蓄積出来ないくらい溜まってしまうと硬度成分は減らずに逆に増加しく。

h29a20 ボイラーのガラス水面計の機能試験を行う時期として、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 点火前に残圧がない場合は点火直前。
  2. 二組の水面計の水位に差異を認めたとき。
  3. ガラス管の取替えなどの補修を行ったとき。
  4. 取扱い担当者が交代し次の者が引き継いだとき。
  5. プライミングやホーミングが生じたとき。

点火前に残圧がない場合は、たき始めて蒸気圧力が上がり始めたときに機能試験を行う。水面計の機能試験は、水面計内部のスラッジや詰まりをブローにより排出するために行い、残圧がないと試験が行えない

h29a21 次の文中の( )内に入れる(A)から(C)までの語句の組合せとして、正しいものは~のうちどれか。

「燃料の工業分析では、(A)を気乾試料にして、水分、灰分及び(B)の質量を測定し、残りを(C)とみなす。」

  1. A      B      C
  2. 固体燃料   固定炭素  揮発分
  3. 固体燃料   揮発分    固定炭素
  4. 液体燃料   揮発分    炭素分
  5. 液体燃料   炭素分    揮発分
  6. 気体燃料   揮発分    炭素分

燃料の工業分析では、固体燃料を気乾試料にして、水分、灰分及び揮発分の質量を測定し、残りを固定炭素とみなす。

h29a22 燃料の分析及び性質について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 組成を示す場合、通常、液体燃料及び固体燃料には成分分析が、気体燃料には元素分析が用いられる。
  2. 燃料を空気中で加熱し、他から点火しないで自然に燃え始める最低の温度を、着火温度という。
  3. 発熱量とは、燃料を完全燃焼させたときに発生する熱量をいう。
  4. 低発熱量は、高発熱量から水蒸気の潜熱を差し引いた発熱量で、真発熱量ともいう。
  5. 高発熱量と低発熱量の差は、燃料に含まれる水素及び水分の割合によって決まる。

組成を示す場合、通常、液体燃料及び固体燃料には元素分析が、気体燃料には成分分析が用いられる。

h29a23 重油の性質について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 重油の密度は、温度が上昇すると減少する。
  2. 密度の小さい重油は、密度の大きい重油より一般に引火点が低い。
  3. 重油の比熱は、温度及び密度によって変わる。
  4. 重油の粘度は、温度が上昇すると低くなる。
  5. C重油は、A重油より単位質量当たりの発熱量が大きい。

C重油はA重油より、単位質量あたりの発熱量は小さい。最上のA重油は、密度の小さく、粘度は低く、引火点も低く、発熱量が大きく、燃焼しやすい

h29a24 油だきボイラーにおける重油の加熱について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 粘度の低い重油は、噴霧に適した粘度にするため加熱する。
  2. C重油の加熱温度は、一般に80~105℃である。
  3. 加熱温度が高すぎると、いきづき燃焼となる。
  4. 加熱温度が高すぎると、バーナ管内で油が気化し、ベーパロックを起こす。
  5. 加熱温度が低すぎると、霧化不良となり、燃焼が不安定となる。

粘度の高い重油は、噴霧に適した粘度にするため加熱する。粘度が高いというのは、どろどろで、霧状に噴射できない。

h29a25 ボイラー用固体燃料と比較したボイラー用気体燃料の特徴として、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 成分中の炭素に対する水素の比率が低い。
  2. メタンなどの炭化水素が主成分で、種類によっては、水素、一酸化炭素などを含有する。
  3. 発生する熱量が同じ場合、CO2の発生量が少ない。
  4. 燃料中の硫黄分や灰分が少なく、伝熱面や火炉壁を汚染することがほとんどない。
  5. 漏えいすると、可燃性混合気を作りやすく爆発の危険がある。

気体燃料は、固体燃料に比べ、成分中の炭素に対する水素の比率が高い

h29a26 重油燃焼によるボイラー及び附属設備の低温腐食の抑制措置として、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 硫黄分の少ない重油を選択する。
  2. 燃焼ガス中の酸素濃度を上げる。
  3. 給水温度を上昇させて、エコノマイザの伝熱面の温度を高く保つ。
  4. 蒸気式空気予熱器を用いて、ガス式空気予熱器の伝熱面の温度が低くなり過ぎないようにする。
  5. 重油に添加剤を加え、燃焼ガスの露点を下げる。

燃焼ガス中の酸素濃度を下げ、二酸化硫黄から三酸化硫黄へ変化することを抑制する。
燃焼ガス中の酸素濃度を上げると硫黄(SO2)が燃焼ガス中の余分な酸素と反応して三酸化硫黄(SO3)になり、最終的に燃焼ガス中の水蒸気と結合して硫酸蒸気(H2SO4)になり、これが、低温腐食となる

h29a27 ボイラー用ガスバーナについて、誤っているものは次のうちどれか。

  1. ボイラー用ガスバーナは、ほとんどが拡散燃焼方式を採用している。
  2. 拡散燃焼方式ガスバーナは、空気の流速・旋回強さ、ガスの分散・噴射方法、保炎器の形状などにより、火炎の形状やガスと空気の混合速度を調整する。
  3. センタータイプガスバーナは、空気流の中心にガスノズルがあり、先端からガスを放射状に噴射する。
  4. マルチスパッドガスバーナは、リング状の管の内側に多数のガス噴射孔があり、空気流の外側からガスを内側に向かって噴射する。
  5. ガンタイプガスバーナは、バーナ、ファン、点火装置、燃焼安全装置、負荷制御装置などを一体化したもので、中・小容量のボイラーに用いられる。

リングタイプバーナの説明×マルチスパッドガスバーナは、燃料ガスを数本のノズルに分けて噴射する

h29a28 ボイラーの油バーナについて、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 圧力噴霧式バーナは、油に高圧力を加え、これをノズルチップから炉内に噴出させて微粒化するものである。
  2. 戻り油式圧力噴霧バーナは、単純な圧力噴霧式バーナに比べ、バーナ負荷調整範囲が広い。
  3. 高圧蒸気噴霧式バーナは、比較的高圧の蒸気を霧化媒体として油を微粒化するもので、バーナ負荷調整範囲が広い。
  4. 回転式バーナは、カップの内面で油膜を形成し、空気用ノズルからの空気を高速回転させ、油を微粒化するものである。
  5. ガンタイプバーナは、ファンと圧力噴霧式バーナを組み合わせたもので、燃焼量の調節範囲が狭い。
回転式バーナは、高速で回転するカップの中心のノズルからカップ内面に噴射した燃焼油が遠心力で薄膜状になり、カップの先端で放射状に飛散する

h29a29 ボイラーの熱損失のうち、一般に最も大きなものは次のうちどれか。

  1. 不完全燃焼ガスによる損失
  2. 燃えがら中の未燃分による損失
  3. 吹出しによる損失
  4. 排ガス熱による損失
  5. ドレンによる損失

ボイラーの熱損失の原因は、排ガス熱による損失がもっとも大きいと言われている

h29a30 ボイラーの通風について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 炉及び煙道を通して起こる空気及び燃焼ガスの流れを、通風という。
  2. 煙突によって生じる自然通風力は、煙突の高さが高いほど大きくなる。
  3. 押込通風は、一般に常温の空気を取り扱い、所要動力が小さいので広く用いられている。
  4. 誘引通風は、比較的高温で体積の大きな燃焼ガスを取り扱うので、炉内の気密が不十分であると燃焼ガスが外部へ漏れる。
  5. 平衡通風は、燃焼調節が容易で、通風抵抗の大きなボイラーでも強い通風力が得られる。

誘引通風は、煙道または煙突の入口にファンを設けて燃焼ガスを吸い出す方式で、炉内圧は大気圧より低くなるため、燃焼ガスの外部への漏れ出しがない

h29a31 ボイラー(小型ボイラーを除く。)の定期自主検査における項目と点検事項との組み合わせとして、法令上、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 項目                    点検事項
  2. 燃料送給装置………………………損傷の有無
  3. 火炎検出装置………………………機能の異常の有無
  4. 燃料しゃ断装置……………………機能の異常の有無
  5. 圧力調節装置………………………つまり又は損傷の有無
  6. 水処理装置…………………………機能の異常の有無

圧力調節装置=機能の異常の有無。つまり又は損傷の有無=燃焼装置(ストレーナ)

h29a32 法令上、ボイラーの伝熱面積に算入しない部分は、次のうちどれか。

  1. 管寄せ
  2. 煙管
  3. 水管
  4. 炉筒
  5. 空気予熱器

空気予熱器は、燃焼用空気を予熱する装置。本体ではなく、附属装置なので、伝熱面積には算入しない

h29a33 ボイラー(移動式ボイラー、屋外式ボイラー及び小型ボイラーを除く。)を設置するボイラー室について、法令上、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 伝熱面積が5㎡の蒸気ボイラーは、ボイラー室に設置しなければならない。
  2. ボイラーの最上部から天井、配管その他のボイラーの上部にある構造物までの距離は、原則として、1.2m以上としなければならない。
  3. ボイラー室には、必要がある場合のほか、引火しやすい物を持ち込ませてはならない。
  4. ボイラーを取り扱う労働者が緊急の場合に避難するために支障がないボイラー室を除き、ボイラー室には、2以上の出入口を設けなければならない。
  5. ボイラー室に燃料の重油を貯蔵するときには、原則として、これをボイラーの外側から1.2m以上離しておかなければならない。

ボイラー室に燃料の重油を貯蔵するときには、原則として、これをボイラーの外側から2m以上離しておかなければならない。固体燃料の場合は1.2m以上あればよい

h29a34 鋳鉄製ボイラー(小型ボイラーを除く。)の附属品について、次の文中の( )内に入れる(A)から(C)までの語句の組合せとして、法令上、正しいものは~のうちどれか。

「(A)ボイラーには、ボイラーの(B)付近における(A)の(C)を表示する(C)計を取り付けなければならない。」

  1. A      B     C
  2. 蒸気    入口    温度
  3. 蒸気    出口    流量
  4. 温水    入口    温度
  5. 温水    出口    温度
  6. 温水    出口    流量

温水ボイラーには、ボイラーの出口付近における温水の温度を表示する温度計を取り付けなければならない。

h29a35  ボイラー(移動式ボイラー、屋外式ボイラー及び小型ボイラーを除く。)に関する次の文中の( )内に入れる(A)から(C)までの語句の組合せとして、法令上、正しいものは~のうちどれか。

「ボイラーを設置した者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたものを除き、①ボイラー、②ボイラー室、③ボイラー及びその(A)の配置状況、④ボイラーの(B)並びに燃焼室及び煙道の構造について、(C)検査を受けなければならない。」

  1. A          B       C
  2. 自動制御装置  通風装置    落成
  3. 自動制御装置  据付基礎    使用
  4. 配管        据付基礎    落成
  5. 配管        附属設備    落成
  6. 配管        据付基礎    使用

ボイラーを設置した者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたものを除き、①ボイラー、②ボイラー室、③ボイラー及びその配管の配置状況、④ボイラーの据付基礎並びに燃焼室及び煙道の構造について、落成検査を受けなければならない。

h29a36 ボイラー(小型ボイラーを除く。)の附属品の管理のため行わなければならない事項として、法令上、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 圧力計の目もりには、ボイラーの最高使用圧力を示す位置に、見やすい表示をすること。
  2. 蒸気ボイラーの最高水位は、ガラス水面計又はこれに接近した位置に、現在水位と比較することができるように表示すること。
  3. 水高計は、使用中その機能を害するような振動を受けることがないようにし、かつ、その内部が凍結し、又は80℃以上の温度にならない措置を講ずること。
  4. 燃焼ガスに触れる給水管、吹出管及び水面測定装置の連絡管は、耐熱材料で防護すること。
  5. 逃がし管は、凍結しないように保温その他の措置を講ずること。

蒸気ボイラーの常用水位は、ガラス水面計又はこれに接近した位置に、現在水位と比較することができるように表示しなければならない。

h29a37 ボイラーの取扱いの作業について、法令上、ボイラー取扱作業主任者として二級ボイラー技士を選任できるボイラーは、次のうちどれか。ただし、他にボイラーはないものとする。

  1. 伝熱面積が25㎡の立てボイラー
  2. 伝熱面積が25㎡の鋳鉄製蒸気ボイラー
  3. 伝熱面積が40㎡の鋳鉄製温水ボイラー
  4. 伝熱面積が200㎡の貫流ボイラー
  5. 最大電力設備容量が500kWの電気ボイラー
  1. 伝熱面積が25m2の立てボイラーは、伝熱面積が25m2未満ではない×
  2. 伝熱面積が25m2の鋳鉄製蒸気ボイラーは、伝熱面積が25m2未満ではない×
  3. 伝熱面積が40m2の鋳鉄製温水ボイラーは、伝熱面積が25m2未満ではない×
  4. 伝熱面積が200m2の貫流ボイラーは、伝熱面積が20m2とみなされる(200m2/10=20m2)。伝熱面積が25m2未満○
  5. 最大電力設備容量が500kWの電気ボイラーは、伝熱面積が25m2とみなされる(500kW/20=25m2)。伝熱面積が25m2未満でない×

h29a38 ボイラー(小型ボイラーを除く。)の次の部分又は設備を変更しようとするとき、法令上、ボイラー変更届を所轄労働基準監督署長に提出する必要のないものはどれか。ただし、計画届の免除認定を受けていない場合とする。

  1. 煙管
  2. 節炭器(エコノマイザ)
  3. 鏡板
  4. 管板
  5. 管寄せ

煙管、水管、空気予熱器、給水設備などは変更届を必要としない

h29a39 鋼製ボイラー(貫流ボイラー及び小型ボイラーを除く。)の安全弁について、法令上、誤っているものは次のうちどれか。

  1. ボイラー本体の安全弁は、ボイラー本体の容易に検査できる位置に直接取り付け、かつ、弁軸を鉛直にしなければならない。
  2. 伝熱面積が50㎡を超える蒸気ボイラーには、安全弁を2個以上備えなければならない。
  3. 水の温度が120℃を超える温水ボイラーには、安全弁を備えなければならない。
  4. 過熱器には、過熱器の出口付近に過熱器の温度を設計温度以下に保持することができる安全弁を備えなければならない。
  5. 過熱用安全弁は、胴の安全弁より後に作動するように調整しなければならない。

過熱用安全弁は、胴の安全弁より先に作動するように調整しなければならない。

h29a40 貫流ボイラー(小型ボイラーを除く。)の附属品について、法令上、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 過熱器には、ドレン抜きを備えなければならない。
  2. ボイラーの最大蒸発量以上の吹出し量の安全弁を、ボイラー本体ではなく過熱器の入口付近に取り付けることができる。
  3. 給水装置の給水管には、給水弁を取り付けなければならないが、逆止め弁は取り付けなくてもよい。
  4. 起動時にボイラー水が不足している場合及び運転時にボイラー水が不足した場合に、自動的に燃料の供給を遮断する装置又はこれに代わる安全装置を設けなければならない。
  5. 吹出し装置は、設けなくてもよい。

ボイラーの最大蒸発量以上の吹出し量の安全弁を、ボイラー本体ではなく過熱器の出口付近に取り付けることができる。