2023年10月1日作成

働かずに資産運用で自活する生き方をファイアという。FIREブームはおおよそ2020に始まり、2022年頃終了している。

あまり詳しくないが、このファイアという単語が流行ったのは、米国株と仮想通貨が暴騰した2020年頃(コロナショック開始、米国規制緩和)だと思われる。

そしてそれらが低迷した2022年ごろ(米国利上げ開始期)に陳腐化をはじめ、2023年の日本のインフレ進行とともにほとんど語られなくなった

ファイアが流行ったのは、米国株と仮想通貨など不労収益で儲けやすい時代で、働かなくても資産運用で食っていけるんじゃね?という時代だったからだ

そして陳腐化したのは、これらが低迷し、日本のインフレで生活費などが高騰し、働かなくては食っていけなくなったからだ。所詮働かずに豊かに暮らす、FIREという夢のような生き方は、幻想に過ぎなかったということだ

ただファイア思想とかファイア主義というべきものが残った。

ファイア思想というのは、働かないこと、消費しないこと、子育てしないことを賛美し、その逆を非効率的、隷属的だといって非難する主張である。そんだけ低消費な生活を続けないと、ファイアなんて実現できないからなんだが。

我々の今日の暮らしは働く人々によって支えられ、子供を作ることによってその労働人口を補っている。ばかすか浪費してくれるから経済が回っている。こんな厳しいご時世でせっせと働いて、結婚して子育てするなんて、人として尊敬に値することだ。そんなことは中学生でもわかるだろう

だがFIRE主義というのは働くことを企業に搾取されると指さし、浪費は馬鹿だと罵り、子供を作ることを非効率的だといって否定する。

そしてFIRE主義者は、自分が働いてないこと、生活費が少ないこと、結婚して子育てしないことを、合理的で頭が良いと賞賛する

まあこういう主張をする人の本音など見え透ている。働く能力がなく、贅沢できる貯蓄がなく、結婚できるような相手がいない。それを正当化するためにFIRE主義にはまっているのだ

人間には自分とその人生が価値のあるものだと世間に思われたい、という普遍的な欲求がある。だから価値のない人生を送ってる人間ほど、自分を正当化できる、誤ったインテリジェンスにはまりやすい。それはこれからも永遠に変わるまい

そしてこのFIRE主義の伝道者と名乗るべき人物がいる。人生よよよと名乗るブロガーである。

この人物元々工場勤務段ボールつぶしの仕事を永遠と続けて、低消費の地方に一人暮らししてFIREを達成できたそうだ。資産はすべて低リスクのオールカントリーの投資信託に預けて、着々と資産を増やしている。ブログは大体懸賞ポイ活ネタで、ひきこもり弱者系のFIRE達成民だ

暇なのかいつの間にか老師を自称し、FIREを目指す人々を自分の教え子だと喧伝し始めた。アパートで無職一人暮らししている自分を本物の仙人だと自称し、”僕は人里離れた霧に包まれた遥か高い山の頂上で、心の安寧を求めた弱い人間にのみ教えを与えます”と偉ぶっている。

地方都市のアパートで暮らしていてどこが仙人なんだ。人里離れてもいないし、常に霧が立ち込めるような厳酷な地に暮らしているわけではない。衣食住が確保される安全な場所でのうのうと暮らしているような奴を仙人とは呼ばない

経営者達はコスト管理に振り回され人生経験が少なく、無職ひきこもりの自分の方がはるかに人生経験が豊富だと自負している。ひきこもってネットとゲームばかりしているようなやつにどんな人生経験があるんだろうなと思う。経営者の重責と困難さを経験したことがあるんだろうか?人生経験が少ないからそんなこといってるだけじゃないか

またこの人物のコメントを重宝する人々もいるらしい。ただよよよ氏自身の知識と経験を買っているわけではないと思う。単にそういう人々に喜ばすことをいってくれるから、というだけだ