若者を破滅させる狭いユートピア論
2025年11月12日
クリエイター業は世の中に需要がないわりに、目指す若者が後を絶たない。日本のような少子高齢化社会にとって由々しき事態だ。
人手が足りないフィールドワークに就業してほしいのに、それを拒否してクリエイターを目指して時間を浪費してしまうのだ
酷いときには学校を中退して、小説家やyoutuber目指そうなんて不届きものもいる。それらの職業を目指すために必要なのは、ホワイトで安定した本業だというのに、愚かというほかない
若者がクリエイターを目指す動機
そもそもクリエイター業は需要がなく、選ばれたエリートのための仕事だ。そんなものになっても、世の中に貢献することもない。しかしそんな状況でも、クリエイターになりたい若者は後を絶たない
若者を愚かなクリエイターに駆り立てるのは、羨望と現実逃避だ。Xはそんな羨望の温床でもある。金持ちや業界人のキラキラしたポストが、よりによって最上位に表示される
若者たちがクリエイターを目指す動機は、あえて言うが一発逆転だ。糞見たいな低賃金労働から解放され、あこがれるホワイト職に就ける。それは本当に夢のような大業だから、挑戦するのは正しい。
彼らに対して間違っていると指摘できるのは、そんなあこがれの仕事についていないものだけだ。そもそも自分があこがれの創作で収入を得ておいて、やめたほうがいいなどというのは、何の説得力もあるまい。
若者に、クリエイターになりたいと言われたクリエイターが返す定例句がある。「この仕事は大変。他の仕事より苦労が多い」そのように必ず言うのだ。
じゃあ今すぐ辞めればよかろう。若者を間違った方向に導きたくないというなら、今すぐコンテンツで収入を得るのを辞めろ
俯瞰してみれば、夢を与えるトップクリエイターは、クリエイター志望を惹きつける悪魔のような存在だ。皆トップランナーたちをもてはやすが、それにあこがれた人間の人生の時間を無駄にしているわけだ。
形容すればトップクリエイターたちは、夢を見せる悪魔のような存在。その仕事も夢を見せて金を得ている連中なので、言葉通りの存在といえる
この悪魔の誘惑を断ち切るにはどうしたらいいか?クリエイターがあこがれるような仕事じゃなくなればいいのだ。創作意欲のある人間は止められないが、クリエイターにあこがれる人間はいなくなる
かといって創作クリエイターは頂点に立つエリート職なので、金と名声は一か所に集まるのは止められない。まんべんなく分配されることはあり得ないのだ。
狭い理想郷
トップクリエイターたちと、それを目指すクリエイター志望たちの争いは、狭いユートピアで表現できる。みんな天上のユートピアの生活にあこがれるがゆえに、無益な争いが繰り返される
かといってユートピア自体を抹殺するのもよくない。共産主義の国々では、実際にこの創作業が毎度抹殺されるが、不思議な因果を感じる。共産主義者たちはこの楽園が憎くて仕方ないらしい。しかも歴代の独裁者たちはみんなそうだった
創作の世界において、誰でも見れるが、立ち入れないユートピアは理論上完成する。もしもガンダムやハリポッターを超える有力なコンテンツIPが誕生し、さらにそれが無料化された場合、立ち入れないユートピアが完成するのだ
自由にコンテンツを視聴し、創作できるが、収入は得られない。結果クリエイターを目指す人間は消え、創作したい人間だけが残る。現実にはあり得ない共産主義の楽園は、創作の世界では理論上実現する
これは社会的に見ても意義がある。格差がなくなり、無益なクリエイター志望たちが有益な仕事に転向するからだ
この狭いユートピア理論とそれを抹殺するものは、空想の産物ではなく、非常に現実的な説だと考えている。いずれ天上人たちが作り上げた夢の国を屠る、地の者は必ず現れよう。