生成AI小説の人気作

GPT5移行、生成AI小説で台頭した作品を紹介する。いずれもプロンプトのみで、シナリオは全て生成AIに書かせている。多重アカウントブーストもないと思われるので、参考資料になるだろう

いずれも作品も生成AIだと表明したうえで、ランキング争いに登っている。生成AI小説は人間が書いた小説を凌駕していると見なせる。

攻略法

断っておくが生成AIに小説を書かせても、それだけで読まれるということはない。キャッチーなコンセプトをLLMに提示するのは必須

web小説はなろう系と呼ばれる、ラノベよりさらに幼稚な小説が人気。そのため徹底的に読者の要求をニーズを掴み、目に止まり、逃さない小説を追求する必要がある

ジャンルはいずれ男向けの恋愛もの。夏見ナイ氏は同時に複数の生成AI小説を投稿しているが、人気が出たのは恋愛ものだけだった。

私は生成AIに小説を書かせるにあたって、バトルをさけるのが重要だと目している。

戦闘はAIが苦手で、かつ難易度が高いので破綻しやすい。なくてもランキングは狙えるので、省くのが有利だろう

生成AI小説のエピソードは最初だけはよくできているが、エピソードが長くなるほど模倣するエピソードが枯渇して、ループに陥ってしまう。

10万文字程度で 完結するように構成すれば、コンテストも狙えるので有利だと目している

曲がり角でぶつかった少女

曲がり角でぶつかった少女に回復魔法を使ったら不治の病と盲目なのを治してしまってめちゃくちゃ懐かれてた

不治の病の盲目令嬢を癒やしたら、彼女のすべてが俺のものになりました。

2025年10月27日に、カクヨムの日刊ランキングで、生成AI小説でランキング一位獲得。曲がり角でぶつかった少女という作品。作者の夏見ナイ氏は、生成AIと公言済みでランクイン

男向けの恋愛もので、チートスキルで直した令嬢を愛玩するという内容。

2025年11月13日に、カクヨムで連続投稿警告が出ていた。忙しいらしくそれを知らずに毎日20エピソードもの更新をしていたが、2025年11月18日アカウントが削除。読者の好感度も高かったが、誰もそのことを警告してもらえなかった

web小説サイトでは歴史的記録作ではあるが、本人のアカウントが削除され見えなくなるという不本意な結末で終わった

捨てられた令嬢を拾いました

一家の恥と言われて追放された辺境の地で、「顔が醜い」と捨てられた令嬢を拾いました。彼女の呪いを解いたら絶世の美女で、二人でしがない診療所を開きました。

人を癒し、笑顔を守ることこそが今の時代の『武』だ!→追放されました…。

曲がり角でぶつかった少女とコンセプトは同じ。不治の病を患う令嬢をチートスキルで治癒して、恋愛に発展する。直され令嬢とでも呼べばいいのだろうか?

私はハーレムと同様に、恋人の価値と人数が読者を集めると考えている。令嬢は例えるなら埋もれた宝石のようなもの。

その価値を復活させ、さらに自分が治癒したことで、逆玉の輿。それが男性の欲望を刺激すると考えている

ダンジョン経営者になる俺

ブラック企業をリストラされた俺、ダンジョン経営者になる。 ~痛いのとか嫌なので癒し系ダンジョン作ったら、女性たちの人気スポットになりました~

女性たちをモニターしてるけど、覗きじゃないからな!お客様の声を(早口)

この小説は年齢層高めのリーマンをターゲットにしたハーレムもの。ブラック企業、リストラ、経営者など、社会人が注目しやすいキーワードがちりばめられている。経営者になることで違和感なくハーレムを達成できる

なろうにありがちな固有名詞や難解な設定がないのが特徴。seaartのAI小説で出力すれば、さらにクオリティアップが望めるはず

恋愛ジャンル陥落

総じてLLM+恋愛系の生成AI小説を強力すぎる。ランキングは生成AIに席巻されるとみなしてよい。AIに恋愛小説が一番最初に攻略されるのは以外な結末ではないか?

今後恋愛カテゴリは生成AIの巣窟になると予想。

web小説サイトの運営は、他のカテゴリに侵食されないように、令嬢やハーレムなどとカテゴリの明記を厳密化したほうが良い

大量生成AI勢

もう一人カクヨムには知られていない、生成AIユーザーがいる。ネコ氏という人物で、生成AIであることを公言せず、600以上もの連載を持っている。

手動更新自体が不可能で、スクリプトを利用してカクヨムに連続投稿していると思われる。

ネコ氏は悪質に分類できる生成AI小説家で、AI生成とは一切公言せず。またコメントで”投稿する作品はすべて完結するまで書く”といっているが、読者の好感度アップが狙いだろう

カクヨムで両者が生成AI小説の大量投稿を繰り返すのは、リワードといわれるPV報酬が目的だろう。さすが出版社も出版は難色を示すだろうが、小説を大量に投下することによってアクセス報酬が得らえる

カクヨムでは生成AI小説の投稿は一切禁止されていない。だが他の人間ユーザーにとっては迷惑な存在なのは間違いない。ジャンル問わず露出を独り占めされて、見てもらえないユーザーが増加する。生成AIの大量投下はサービスのユーザー離れに直結すると断言できる

一方両投稿者とも、生成AI小説を疑われたり、批判されたりすることは一切ない。この現象は日本独自で、海外は生成AI小説の風当たりがきついため、AIコンテンツの表記を強制される。

私は、この生成AI小説の躍進はクオリティアップの快挙ではなく、web小説サイトの終局を示唆していると考えている。web小説サービスというSNSの荒廃に直結する事件だと目しているが、運営とユーザーともそれを問題視することもない

断っておくが、私は生成AI小説は表記があれば許容されるべきだと考えている。だがそれがない場合、量産性に優れた生成AI小説に席巻されてしまう。日本のweb小説サービスの対応の遅れは、今後の運営に致命傷になると予想している

遅れる生成AI小説対策

2025年11月13日18:00にて、カクヨムで、連続投稿の規制が開始された。この声明、各出版社の生成AI避難のあとのもので、小さなニュースにもなった

しかし生成AIについての言及は一切ない。利用者の不利益になるため、連続投稿を控えるように呼びかけ。たったそれだけの内容だった

この期に及んで、各日本のweb小説サイトは生成AIについて一切触れていない。すでに遅すぎて異例の自体に突入した。

2025年になっても、読者たちは生成AI小説が紛れ込んで、さらにそれを読んでいることを全く知らない。日本の読者のリテラシーの低さは特筆すべきではないか