セリフの重要性
web小説はキャラクタのセリフが薄いという特徴がある。薄いというのは、重要な情報が全然ない。主人公への相槌と驚きばかりが続く
なぜこうなるかというと、主人公がモノローグで情報をほぼ語ってしまうからだ。またそうすることにより、キャラクタにセリフを分配する必要がなく、エピソードが量産しやすくなる。
私はこの現象を紙芝居と呼んでいる。キャラクターが登場するだけで重要なセリフがなく、モノローグで語られる紙芝居。紙芝居はエピソードを量産しやすくなるメリットがあるが、弊害もある。
キャラ愛の証明
本来キャラクターに重要な情報をしゃべらせるのは重要。物語の転機となり、それがキャラクターの見せ場になるからだ。そのためキャラクタとシュチエーションを計画し、重要なセリフを配置する必要がある。
これが無くなるとキャラクターの役目が減るので、キャラ人気が弱くなる。同人みたいなキャラ愛が強い作家は、キャラに重要なセリフをしゃべらせる。一方セリフが薄いと、この作者キャラ愛がないというはわかる
売れてるweb小説家は紙芝居だらけで、キャラ愛が全然ないと感じる。そういうアフィリエイター作家ばかりランクインするのは腐っている
薄いセリフの弊害
スカスカのセリフは作品論以外にも弊害がある。まずキャラクターの個性が弱くなり、キャラクター人気は期待できない
次に映像化の弊害がある。映像化する場合、主人公がモノローグで語るのはNG。キャラクターに台詞を振り分けて、状況を説明させないとならない
それにあたって映像作家がセリフを書き直さないとならない。そんな原作映像化するぐらいなら、生成AIにプロットを書いてもらったほうがはるかにましだろう
主人公のモノローグばかりは他の弊害があり、主人公の役の台詞ばかり膨大になってしまうのだ。負担も一人に集中してしまうので、書き直しは必須になる
生成AIに模倣されやすさ
スカスカのセリフは他にも深刻な弊害がある。主人公以外の台詞がどうでもよいため、生成AIによる出力が容易になる。
本来創作において、どのキャラにどの台詞言わせるか、役割分担するもの。だがそれがないので、エピソードの量産が容易になるのだ。
つまりスカスカセリフの小説は、小説自体も生成AIに模倣しやすいカスになってしまう
生成AI文章はセリフで見抜く
生成AI小説は、セリフの違和感が大きい傾向がある。セリフがスカスカか、膨大な説明かどっちかに偏るのだ。それゆえキャラクタの台詞は生成AI小説を見抜く、一番大事なポイント。
AI自体もキャラクタのセリフを、生成AI小説を見抜く重要な材料として判断している。GPT5にセリフを書かせると以下の違和感がある
- スカスカのセリフが定期的に挿入
- 台詞が長すぎて音読不可能
- 台詞が難解すぎて、違和感ありすぎ
- 台詞が長すぎて、聞く方は意味が分からない
- そんなセリフを聞かされたのに、平然と理解している
これらのセリフが出現すると、生成AI小説の可能性が濃厚になる。逆に台詞さえ手を加えれば、生成AI文章かはまずわからない。
総じて、キャラクタのセリフは作品論、生成AI文章、両面で今後極めて重要になる