共感スコア
小説には流行の文章というのがある
古い文学系文章はインパクトがあるが、現代は受けにくい
一方共感スコアが高い文章が上を狙いやすい
小説タイトルでも共感系かインパクト系かわかる
たとえばなろう系で有名な作品
”無職転生”と”オーバーロード”は、インパクト重視型
一方、
”転生したらスライムでした”
”女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった”
ケータイ小説よりの共感スコア重視型に分類される
共感スコアはあいまいで、
”薬屋のひとりごと”や、”水属性の魔法使い”は
両方の中間型に分類される(インパクト重視型だが、読者が親しみやすい
昨今はどの小説サイトもとても長い
共感スコア重視型のタイトルがついている
タイトルだけで内容がわかり、かつ共感スコアが高いタイトルでないと
読んでもらえないという事情がある
次いで共感スコアが高い小説とはどんなもんか?
年齢層が若い、主人公のモノローグが多いと共感スコアが上がる
主人公による心情の吐露や世界の説明などが該当する
主人公のモノローグは書きやすい上に、読者の共感を得られる
推しが入りやすく、有利なので最近は独白だらけが普通
コラム系でも共感スコア重視型というのがある
お役立ち情報や感動を誘う系の内容は共感スコアが高い
カクヨムではそれらの小説を一話完結式で投稿するのが有利
長編以外で上に表示される小説は、明確にそういう傾向がある
短くて特に内容のないコラムやエッセイでも
共感スコアを高めて一話完結で投稿すれば、長い間居座れる
文学系は私の文章みたいな感じだ
感情を排し、テーマや目的をわかりやすく伝える
作品的には群像劇三人称視点だと文学系になる
最近のweb小説ではそれに該当するものはあまりない
共感ではなく内容勝負なので、不利に該当する
自分の書いている文章や小説の共感スコアを調べる方法がある
AIチャットで文章を張り付けるのだ
実はAIは人間の感情のスコアリングが、人間より得意
そのため心がないくせに、共感スコア高い文章の分析ができる
最近の商業作品でも、共感スコアが高いものが尊ばれる傾向がある
ファイナルファンタジータクティクスのリワークがある
古参のファンの間では、テキスト量1.6倍の水増しと批判された
文章もファブルみたいで、冗長な説明を入れてくる
ゲームしながらテキストを読むにはうっとおしいことこの上ない
アグリアスやガフガリオンの女々しいセリフに、幻滅した古参は多かった
だが最近購入した新規やyoutuberの間では好評を博した
キャラクターの感情に共感できたとして、高評価されたのだ
つまりテキスト水増し作戦は、最近のコンテンツ産業で有効と
証明された形になる
一方共感スコア重視にも問題がある
SNSやweb小説は共感系の文章だらけなのだ
インフルエンサーやアフィリエイターが特に共感スコアを重視してくる
小説もやたら冗長で共感させたいんだな、というのが見え透いて
人によってはしらけてくる
あまりにも共感スコア重視型の文章と小説が多すぎるので
そろそろトレンドの転換が起こったほうが健全かなと思う
ただしその前にAIブーム時代が来てそれどころじゃない
SNSやweb小説サイトもあらかた淘汰されると考えている
共感系は推しが入りやすいが、危機や淘汰のような
ネガティブな要素に脆弱な欠点がある