LLMシナリオ構成

2025年12月5日 更新

小説とか映画のストーリーとかシナリオは、用語が定義が大量にあり統一されていない問題がある。

創作論ともごっちゃになっており、LLMにどのように要望して、リクエストすればいいかわかりづらい

ユーザーとしても、どうやって小説書くのかわからない。小説のような長編シナリオは、全体的な構成やテーマから、初めて以下のような階層がある

順番 英語名 日本名 説明
1 テーマ    
2 コンセプト    
3 プロット 構成
4 シナリオ あらすじ ストーリー、全体設計図
5 チャプター web小説のような長編シナリオ限定
6 エピソード 各話 シナリオに沿った各出来事
7 シーン 場面 細かい描写、キャラクターのセリフ

テーマとかコンセプトとかプロットとかいるのか?という感じ。LLMに提示しても、たぶん無視されると思う。読者は各話とかシーンしか読むことはないのに、こんなに細かく作る必要あるか?

web小説用の各話を出力する際に、大まかな設計図となるシナリオ(あらすじ)が必要になる。LLMは以下のような感じでシナリオを定義している

0~話 プロローグ・エピソード

プロローグの定義や説明は難しい。映画や漫画で、以下のような導入をする場合、プロローグと定義しているらしい

  • 悲しい過去の出来事の描写
  • 未来の成り上がった自分の姿
  • 物語の設定や世界観の説明

なろう系は一話目に異世界の説明が入ることが多く、プロローグと定義される。インフォダンプ(説明過多)型導入とも呼ばれ、言い方はいろいろあるのでややこしい

1話 オープニング・エピソード

物語の現在描写の始まり。小説の作法として有名なのは、冒頭から事件の一番緊迫のシーンから始まる形。イン・メディアス・レス型(In Medias Res)と呼ばれている

2~∞話 エピソード(各話)

シナリオ構成で重要で時間がかかるのが、各話に該当するエピソードの部分。このエピソード(各話)をLLMに生成させて、web小説プラットフォームに毎日投稿することになる

1~3話までの冒頭話(エピソード)は、web小説にとって顔のような存在で、のちのPV数がほぼ確定する

終話 エンディング・エピソード

最終話に該当するエピソード。web小説は連載前提が多く、エンディングに至るほうが少ない。web小説プラットフォームでは完結済み作品という、特別枠に入れられる

エピローグ・エピソード

後日談と未来への展望。web小説では完結する自体が珍しく、エピローグ自体があるのがレア

シナリオの評価は不可能

シナリオにはweb小説のようなロングと、劇や映画のようなショートが存在する。劇や映画は時間が決まっているので、起承転結を作り、動画の時間内に配分するのが正しい。

一方小説のような長編シナリオは、起承転結のような概念はない。小説全体になると長すぎるので、山場とか谷場とかそういう概念はない

LLMにシナリオ全体の評価をもとめても、テキストの量が多すぎて、コンテキストを超過するので、正常に判定できない

読者の方も同じで、連載が長い、テキスト量が多すぎると、最後まで読んでくれる方が珍しくなる。そのため起承転結を盛り込んで完結するシナリオを構成しても、評価されることは少ない

LLMに小説の全体あらすじを理解、評価させるには、シナリオという要約テキストを別途用意しておく必要がある

なろう系web小説のシナリオ

なろうや令嬢と呼ばれる人気のweb小説は、シナリオの構成でいうと問題がある

没落した主人公は、実はSランスキル持ちで、周りを見返してどんどん成り上がっていく。それ以外はPV維持の停滞エピソードなので、シナリオ自体があまり必要ない

元々持っていたスキルが強力なのに気づいてない系のなろうは、シナリオに書くことがなくなってしまう。それに気づいて解決するだけなので(シンデレラはかぼちゃの魔女に出会って、魔法をかけてもらう必要がある

シナリオ構成は、以下のように章管理されている

概念 主なミッションと内容
1 窮地 転生・召喚・チート能力の覚醒。婚約破棄やパーティからの追放など、理不尽な状況に陥る。
2 成り上がり 追放された新天地(辺境、ダンジョン、スラムなど)で、隠されたチート能力を使い、生活基盤を築く。
3 ざまぁ 主人公を追放した元パーティや貴族が没落し、主人公の偉大さが社会に認められる(ざまぁ展開)
4 引き延ばし スローライフ・スケールアップ・新展開で読者維持を狙う

Seaartスタイル

中国のSeaartの生成AI小説は、以下の四段階をへて小説を作成する

  1. ストーリー(プロット
  2. あらすじを生成(シナリオ
  3. 詳細あらすじを生成(エピソード
  4. 台詞入りのシーンの作成

現実的に上記の四段階が、現実的な小説作成手順ではないか