曲がり角でぶつかった少女
LLMが書いた、生成AI小説の台頭を示す記念すべき作品。2025年10月27日に、カクヨムの日刊ランキングで一位獲得。作者の夏見ナイ氏は、生成AI小説であることを公言していた。
曲がり角でぶつかった少女に回復魔法を使ったら不治の病と盲目なのを治してしまってめちゃくちゃ懐かれてた
元社畜のユウキは、神様からチート級の回復魔法を授かり異世界へ。今世こそは穏やかに暮らしたいと願っていたが――ある日、街角でぶつかった少女ルナリアの運命を変えてしまう。
彼女の擦り傷に何気なく魔法をかけると、生まれつきの不治の病と盲目まで完全に治してしまったのだ!
生まれて初めて光を得た大公爵家の令嬢は「ユウキ様は私の運命の人です!」と宣言。その日から、ユウキの日常は彼女からの過保護すぎるお世話と、ストレートすぎる愛情表現で甘く塗り替えられていく。
これは規格外の癒やし手と、彼に救われた令嬢がひたすらイチャつき、周囲を砂糖漬けにする、甘さ120%のストレスフリー・ラブストーリー。
このタイトルは別の作家が、ランキング攻略用に考案(情報失念)したもの。厳密には共作の扱いになる
夏美ナイ氏は、その後なろう小説の一つが、アルファポリスで奨励賞を獲得
恋愛はLLMにうってつけ
ジャンルの分類は、男向けの恋愛もの。チートスキルで直した令嬢を愛玩するという内容。
直され令嬢とでも呼べばいいのだろうか? 令嬢を治癒して逆玉の輿。それが男性の欲望を刺激すると考えている
最初に令嬢を治すという山場がある。そのあとストーリーの目標を喪失し、スローライフ編に突入する
これによりストーリーのゴールと整合性チェックがなくなり、違和感なくLLMによってエピソードが量産できる
この手の恋愛スローライフものは、整合性が問われないので、AIでエピソードが量産しやすい。またAIはエロチャットでもよく利用されるので、ヒロインの台詞を書くのは得意
実は他の恋愛ものの生成AI作品がランキング登ってるので、AIは恋愛ジャンルは得意だという証明になった
俺の感想
クレープ回が私のお気に入り。特にクレープの美味しそうな感じが素晴らしい。クレープの味をセリフで言う以下のシーン
「ふわふわの生地と、とろけるようなクリームの甘さ…イチゴの甘酸っぱさが、口の中で踊っていますわ」
驚いたのはこれAIがセリフを書いているのだ。GPT5もこのクレープエピソードは学習済みで、似たような話が書ける。私はGPT5にこれとそっくりな作文をさせた
「おいしい……! ふわふわで、甘くて、果物が踊っていますわ!」
GPT5では、詳細が抜けていて、夏見ナイ氏の小説のような美味しい描写ができない。GPT5より上位のLLMで、seaartのkimiやgeminiで生成したんじゃないかと思う
アカウント削除される作者
2025年11月13日に、カクヨムで連続投稿警告が出ていた。これにより多数の連続投稿主が作品やアカウントが消されている
一方夏美ナイ氏は毎日20以上の投稿を自動投稿していた。Xにも近況報告がなく、本業が忙しくてログインできない状況だったと思われる
2025年11月18日にて、おそらくカクヨムの運営によりアカウント削除。リワードを受け取る直前にけされるという不運に見舞われる
Xと読者コメントにも、連続投稿を警告するコメントがなかった。生成AI小説家を公言して、ファンも多数いたが、人間の友達はいないという教訓を残した