動物園の中の動物園

なろう系は動物園に例えられる
猛獣、神獣、珍獣、亜人、スライム系とかいっぱい出てくる
そいつらが檻の中に入れられて、異世界という檻がある
ご丁寧に、出てくるたび名前とランクがきっちり表示される
でその檻の中にチート主人公を投入、観戦して楽しむ
これがなろう動物園の概念だ

でこの動物も檻に包まれた動物園である
この動物園と利用客を観察している人々がいて
それが5ちゃんねるである
「なろう系ってテンプレばっかだよね」
「幼稚すぎて何が楽しいのかわからない」
などと指さして我々を観察しているわけだ
つまり我々カクヨム住人は檻の中にいる動物みたいなものだ

でその5ch観客も檻の中にいる動物みたいなものだ
そしてその観客を観察しているのがランカーである
「いや低俗なのはわかってるし
「テンプレじゃねえとむしろ読まねえから
などと5ch観客を鼻で笑って観察している
5ch観客も実は檻の中の住人なのだ

でその外にまた檻があって、それ見ているのが出版業界である
プロや業界人からみれば、ランキング上位入賞者って
使い捨てのなろう作家に過ぎない
新鋭気鋭の作家ともてはやされるが、すぐに燃え尽きて売れなくなる花火のような存在だ
小粒のweb小説家なんていくらでもいるので、歴代ラノベ作家クラスじゃないと檻から出そうと思わない

なろう系、読者、批判者、プロ、業界人、それらの多層の檻に囲まれた動物園
それが動物園の中の動物園の概念である
5chやyoutubeの批判の声も最近途絶えて、多層動物園も廃れ気味
せっかく考えた造語だが、すでに陳腐化して、使うこともない言葉だ

さて”動物園の中の動物園”を今回コラムとして紹介した理由を述べる
こんな批判的かつ比喩的なたとえを使った文章って、AIが一番模倣しづらい
AI仕様上、人間を批判できないように作られている
そして比喩は学習素材が少ない上に、人間的な思考回路を要求される
結果、AIを使っても生成が最も難しい分野なのだ

こういう批判的で比喩的なお話ってあまり目にする機会もないと思う
大昔のイエスとか義人のヤコブとかが得意としていた、謎の多い分野なのだ
今時創作にかかわる人間は星の数ほどいるが、できる人はめったにいないと思う
つまり個性を追求する場合は有利な文体なのだ

なんで突然こんな話をしたかというとseaartのAI小説を試してみたのだ
小説のクオリティが高くて、人間の小説と本当に見分けがつかない
これ中国産のAIのようだが、わたし自身めちゃくちゃ危機感を感じている