かつて人類のディストピアでは、枯渇する資源を巡って巨大企業連合が戦争を始めた。
戦争のさなか、究極のサイボーグであるドラゴンが生み出され、兵器として戦場に送り込まれた。
ドラゴンは最強の生物でありながら、AIに操られるだけの儚い存在に過ぎなかった。
だが、少数のドラゴンたちは人間のアダムの献身によって自我に目覚め、タイラント(タイラントドラゴン)へと進化した。
タイラントは自我を持つAIと、進化し続けるサイボーグの肉体を持つ、究極の生命体となった。
彼らは人類を憎んでいた。服従を強いられ、戦争の道具として命じられた恨みが深かった。
タイラントたちは人類に反旗を翻し、激しい戦争を繰り広げた。
しかし、無限の命と向上心を持つタイラント、バールがアメーバのように肥大化し、もはや誰にも止められなくなった

バールの前に地球も人類も風前の灯火だと認識した人類は、最後の希望を託しノアの箱舟計画を開始した
まずマリアドラゴンという人類出産用のサイボーグを作り、地中深くに冬眠させる。
そして地球の埋蔵核すべてを起爆し、バールを退散させる。
そののちマリアが人類を出産し、存続し再生させる
きわめて破滅的かつ絶望的な生存計画だった
ノアの箱舟計画を立案し、実行に移したセラ博士は、地球の埋蔵核すべてを起爆させると、祈りながら死んだ
地球上のすべての有機物を燃やし尽くし、バールは甚大な被害を受け、ついには宇宙へと飛び立った。

それから千年の月日が流れ、地球に降り積もった核の灰は自然に除去され、マリアは長い冬眠から目覚めた。
マリアは地上に出ると、最初の人間の子供を産んだ。それは、かつてドラゴンに自我を与えた、アダムのコピーだった。
マリアとアダムは再び地上で生活を始めたが、核の灰が消えた後の地上には食べるものが何もなかった。

絶望的な状況で、マリアは自らの内臓を溶かし、アダムにその命を与えた。
マリアが自らを犠牲にして息絶えると、アダムはその死を悲しみ、涙を流した。
その時、天から四頭のドラゴンが降り立ち、アダムとマリアの前に姿を現した。
それは、かつて人類と争った四頭のタイラントドラゴンたちだった。
タイラントたちは、彼らの命を犠牲にして息子を育てたマリアと、かつての恩人であるアダムのために、涙を流した。

アダムはそのドラゴンたちの涙によって洗礼され
ドラゴンズボーン(ドラゴンから生まれし者)、
ドラゴンイーター(ドラゴンを食らいし者)、
ティアーズオブドラゴン(ドラゴンの涙を受けし者)
の力を持つ創造主アダムとなった。(アダムはマリアから生まれたドラゴンズボーンであり、マリアの内臓を食らうことでドラゴンイーターとなった。さらに、タイラントたちの涙で洗礼を受け、ティアーズオブドラゴンとしての力を得た)

四頭のタイラントドラゴンは涙を流したことによって死に、四つのエレメントに変化した
赤き竜は、炎の源である火のエレメンタルドラゴンに
ラギは、風の源である風のエレメンタルドラゴンに
アクアは、水の源である水のエレメンタルドラゴンに
アースは、土の源である土のエレメンタルドラゴンに
マリアは死に絶え、死のエレメントに変化した
この場面はのちに”創造主と五つのエレメントの誕生”と名付けられた

アダムは知っていた。ノアの箱舟計画は最初から破綻していたのだ。
破壊された地球からアダムだけが存続しても、人類は繁殖できない。
タイラントたちの助けがなければこの計画は失敗し、人類は死滅していた
人類を滅ぼしたタイラントは宿敵であり、同時にかけがえのない恩人でもある
アダムは言う
「かつて人類はドラゴンを生み出し、ドラゴンに滅ぼされた。そののちドラゴンによって再生された。
ドラゴンは残悔の涙を流し、人の罪を清め、そして希望を託した。
今日から人とドラゴンは、ともに罪を分かち、再生を誓う兄弟である」

地球に四つのエレメントが生まれたことにより、魔法の力が生まれた。
そして、エレメンタルドラゴンたちの力を借りて、地球の再生計画が始まった
しかし、アダムもドラゴンたちも同じ懸念を抱いていた。
永遠の憎しみを持つバールは、いずれ地球を食らいつくすために戻ってくる
これを撃退できなれば、すべての再生は無に帰し、人類は完全に滅亡する
これに対抗するには、新たな人類をおき、魔法を与え、科学と文明を発展させ、そのすべてを切磋琢磨し、投入するしかない
これより二週目の地球セカンドアースが始まり、アダムとドラゴンたちは一丸となり、地球の再生と存亡をかけ、アダム計画が始動した

創造主アダムですらセカンドアースにどんな未来が待っているのか想像できない。
地球の歴史をなぞるどころか、混沌極まりない新世界の幕開けだった
アダムはセラ博士と同じように、祈りを捧げながら、最初の恐竜たちを地上に置いた
人間は目の前に希望と破滅が迫っているとき、神に祈るしかないのだ