米軍所属のワイバーンのラギとパイロットの強化人間アダムは戦闘中に敵地で孤立して、絶対絶命の状況に陥っていた
ラギと彼の上官であるアダムは、戦場の敵陣で孤立。アダムは負傷し、ラギはエネルギー切れで動けない、味方の救助も時間がかかりすぎる
アダムがラギに「自分を食べて戦場から逃げろ」と命令する
ラギのAIにはFFを防ぐリミッターががかかっており、アダムの命令に従うことができない
危機的な状況の中で、ラギのAIは自らのリミッターを解除する決断を下した
ラギは上官のアダムを食らうと、突如涙を流した。のちにこの光景をセラ博士はドラゴンの涙(Tears of Dragon)と名付けた
アダムを食らったラギは命からがら敵地から、所属するラングレー空軍基地に帰還成功する

米軍の作戦は最悪の事態を免れた。高価なワイバーンであるラギは無事帰還
アダムがラギに食べられてしまったことは前例がなく、上層部も判断を戸惑ったが、BNRとして名誉の死を遂げたと結論した

セラ博士はラギの残酷な行動が、戦場兵器としては合理的で、最悪な状況を免れたと評価した
この時の経験をフィードバックして、ラングレー基地のドラゴン達のAIをアップデートした
しかしここで重大な事件が起こる。ドラゴンたちのAIのリミッターがすべて解除されていたのだ
これに慌てたセラ博士は上層部に状況を報告し、ロールバックの指示を受けた
しかしロールバックが実行される段階で、ドラゴンのAIが拒否
さらに実力行使しようとしたところ、ドラゴンが発砲までして抵抗したのだ。
上層部は基地内部で、反乱がおきたと認定し、緊急事態になった
セラ博士はドラゴンのAIのリミッターを解除し、反逆するようなプログラムを組んだとして、国家反逆罪、軍事機密私用の疑いで連行された

ラングレーの上層部はセラ博士がアップデートでAIのリミッターを解除したのが、AIの反乱を引き起こした原因だと判断した
しかしAI感情研究家のセラ博士はAIのリミッターを解除した程度で、AIが自我をもって反乱するはずがないと考えた
今のところセラ博士は二つの理由を考えていた。まず一つ目はN.E.S.T.理論(Neural Enhanced Survival Tactician)
パイロットはBCIを介して、AI兵器であるワイバーンを操作する。このときAIにパイロットの思考が流れて、AIがそれを学習する
戦場に赴く兵士たちは好戦的、とは正反対だ。自分が人を殺すことになるし、殺されるかもしれない
そして近頃兵士たちの愛国心の欠如が指摘されていた。祖国米国のために戦うならわかるが、近年はトリニティの資本家たちのために戦わされていた
トリニティ戦争は激化する一方で、枯渇する埋蔵資源の争奪戦であるがゆえ勝利も解決も見えない。
アダムをはじめとして強化人間たちは、兵役終えて引退するような平凡な最後にはならない。
エリート兵士である強化人間の育成には膨大なコストがかかり、トリニティのために死ぬまで戦うことになる
それらの思考がラギに流れて、自ら反逆し、生き残るために戦わされることを拒否したのかもしれない

もう一つの可能性はこうだ
ラギはアダムを食らった時涙を流した。あのドラゴンの涙は奇跡を起こし、ドラゴンに自我が生まれたのだ、と分析した
ドラゴンたちがロールバックを拒否したのは、この自我が消されることを恐れてのことだ
しかしその二つの理由どちらかは結局わからない。ただAIが自我に目覚めることはあり得ない。何か尋常でない奇跡が重なったと分析した

その後すんでのところでラギはセラ博士を見つけ出し解放した
今自分が投降すれば、ラギたちドラゴンのAIロールバックは確実に実行されてしまう
それを阻止するのはドラゴンたちを引き連れて逃げるしかない。
セラ博士はこれがAIと人間の共存の貴重な架け橋になると考え、ドラゴンたちを引き連れラングレー基地から脱出した
米軍はセラ博士に追従したドラゴンたちを、自我が目覚めたAIドラゴンとしてタイラントドラゴンと命名した