モグモグの森
ジョルノ:ここがモグモグの森だ。名前とは裏腹にモグモグは出現しない
サトシ:何が出るんだ?
ジョルノ:モグリーンという木の精だ。木の精だけあって厄介だぞ
サトシ:木の精って…
ジョルノ:根っこで不注意な人間の足を引っかけたり、とがった枝を衣類に引っ掛けて穴をあけてしまう
サトシ:そんなモンスターいるの?気のせいじゃないか?
木によりかかるサトシ。しかしそれはモグリーンだった
モグリーン:モグー!
サトシ:うわー!
ジョルノ:しまった!モグリーンだ!
羽交い絞めにされるサトシ
トリッシュ:サトシが邪魔で攻撃できないわ!
バキューン
ミスタの拳銃がモグリーンの眉間を正確に打ち抜いていた
ミスタ:命拾いしたなサトシ。クエストは始まってるんだぜ?
サトシ:はあはあ…死ぬかと思った。あれHP減ってないよ?何もされなかった
ジョルノ:その通り。モグリーンは森を守るガーディアンの類ではない。だから別に捕まっても、何もされない
サトシ:どういうことだ
ジョルノ:奴らはRPGとかによくある、特に行く必要がない森にすむ、特に戦う必要がないモンスターの成れの果てなんだ
サトシ:???
ジョルノ:モグリーンは木の精なので耐久力だけはえらい高い。しかも単なる木なので倒しても何も得られない
サトシ:そんなの戦いたくない
ジョルノ:そう。だからモグリーンたちは、そんな意味ない場所に来る、物好きな冒険者たちを逃がさない
周囲からガサガサ音がする。木に擬態していたモグリーンたちが一斉に動き出した
トリッシュ:モグリーンに囲まれてるわ!
サトシ:どうすりゃいいの!?奴らは何がしたいんだ!?
ジョルノ:聞こえないか?奴らの声が…
モグリーンたち:シテ…コロシテ…」
サトシ:ひいい!
ジョルノ:木の精はいわゆる生きている価値のない存在。だから成仏させてほしいのさ
ミスタ:へ!サトシのやつビビってるぜ!情けねえ!
トリッシュ:あんた何とかできないの!?
サトシ:わ、分かった。モグリーンの弱点を調べる。ステータスオープン!
サトシはモグリーンの弱点を調べて驚愕した
ジョルノ:サトシ奴らの弱点はなんだ?
サトシ:弱点は…全部
ミスタ:何!?
サトシ:モグリーンはHPに全振りしていて、それ以外に何にもない
トリッシュ:ちょっとどういうことなの!?
サトシ:つまり何でも効くので、ダメージ与えて倒すしかない
ジョルノ:聞いたかミスタ、トリッシュ!耐久力特化型のモンスターだ。火力に集中しろ!
ミスタ:まあシンプルでいい
激しい戦闘の末、モグリーンを退治した黄金の風
全員適度に汗をかいているが、ろくな攻撃もなく無傷だった
サトシ:やったか…
トリッシュ:別に逃げればよかったんじゃない?
ミスタ:倒す必要すら感じない、でくの坊どもだったぜ
ジョルノ:まあ自分から殺してというぐらいだからな…
サトシ:すげえさすがSランクチームだ!
ミスタ:でもお前は役立たずだったな
サトシ:モグリーンの弱点は教えたじゃん!
ミスタ:すべて弱点ってなんだよ。弱点を教えたと言えるか?
サトシ:でもそう書いてあったんだから仕方ないじゃん
ジョルノ:サトシ戦利品の鑑定頼む
サトシ:え?戦利品なんてある
トリッシュ:樹皮とか枝とか葉っぱとかあるわよ?
サトシ:えええ…
ジョルノに耳打ちするミスタ
ミスタ:…やっぱり鑑定士なんて役立たずだったじゃねえか
ジョルノ:まあ結果的にはそうだな。サトシのキルはゼロだった
ミスタ:つーわけでプランAだなリーダー?
ジョルノ:議論の余地はあるが、そんな感じだな。
ミスタ:よっしゃあ。選ばれし者の矢で人を撃ってみたかったんだよ。最近PKってなかなかできないからな
ジョルノ:お前の腕はあてにしているよ