カーボンフロアでリューはカーボン刑に処される
所長「ラジーン国バウンティー局特殊追跡隊コードナンバー1099リューヤー。ラジーン国刑法に従い、重犯罪人として、ここジェイラーズ島にて、カーボン刑に処す。執行!
ジャク「プレートを見ろ!執行された年月日が刻まれているはずだ
リュー「リューヤー、凍結おラード王の治世14年5月7日。き、昨日じゃないか!なんで俺がここでカーボン刑なんだ!?こいつは誰だ。おいどういう意味だジャク!これはどういうことだ!
カーボン刑になったリューが動き出して、部屋から飛び出す
リュー「なんだ!?
ジャク「こいつはドッペルゲンガーかもしれない
リュー「ドッペルゲンガー?
ジャク「いま自分がいる世界だけが、人生じゃないってことだ
リュー「どういうことだ
ジャク「人生は選択の連続だ。自分で選ぶにせよ、そうでないにせよ、時にはいくつかの可能性の中から、一つの未来を選ばなきゃならない。だが選ばれなかった未来はどうなる?消滅してしまうのか?そうではなく、その可能性の未来もまた、どこか別の世界に存在している・・・という考え方がある。お前も今まで多くの選択をして、生きてきたろう。この考え方に従えば、別の選択をし、別の人生を生きたお前が、どこかに存在する、ということになる
リュー「それがさっきのアイツか
ジャク「アイツにとってはお前がそうだ。だが、普通別の次元を生きるドッペルゲンガー同士が出会うことはない。パウリの原理というんだが。
リュー「細かいことはいい。ともかく、同じ世界に存在するはずのない二人の自分が、何かの理由で出くわすことがあるかもしれない。ってことだな?
ジャク「そう、もし出会うとしたら、それは次元と次元を隔てているパウリの原理が破れたときだ。こういう場合、ドッペルゲンガーの一方が消去される
リュー「しょ、消去!?
ジャク「いや、俺も詳しくは知らない。ただ、もともと、同じ人間は一つの世界に一人しかいられないんだ。だから残る一方は・・・
リュー「まるで伝説通りじゃねえか。自分の分身を見たやつは死ぬ
ジャク「お前のドッペルゲンガーが突然現れた理由はわからない。ほうき星と関係あるかもしれない・・・
リュー「あいつと俺の違いは、カーボン刑にされるような俺と、そうでない俺ということか
ジャク「リュー、ここを出よう。俺は頭がくらくらしてきた。あまりにもデータ不足だ
表記「リューヤー。凍結オラード王の治世14年5月7日。解凍予定なし
表記「デボス・シュマイザー。凍結、オラード王の治世12年5月25日。解凍予定なし
表記「暗殺マシンブレーダー。凍結ムラク王の治世4年7月2日。解凍予定なし
表記「シャラン・ガブリエル・ランキュフスキー。凍結オラード王の治世10年1月31日。解凍予定なし
表記「チェリーナ・ガブリエル・ランキュフスキー。凍結オラード王の治世10年1月31日。解凍予定なし
リュー「カーボン刑にされると、ずっと悪夢を見続けるというのは本当かな
ジャク「どうだろうな。噂だからな
リュー「ひょっとしてこれは悪い夢なんじゃないか
ジャク「たとえ悪夢だとして、安心しろ。俺がついてる