- レビュー

RPG版civlization

見た目はファンタジー系のSRPG。洋ファンタジーだが見た目はいかつくなく、可愛い過ぎないという絶妙なビジュアルで表現されている。

ゲームを評価すると、一言で言ってRPG版civlizationである。きれいな見た目のわりに、ルールやデータが多く、覚えるまでが大変な知識ゲーである。覚えれば楽しめるだろうが、そこまでに廃人的なプレイ時間を要求される。そしてRPGでありながら再戦闘不可能で、経験値と資金が有限という特筆すべきものになっている。

まず初プレイでは、ユニットの損失によって金銭が足らなくなり、積んだ状態になってしまう。失敗が取り返しがつかないという点でもcivと同様で、難易度とプレイ時間からすると、玄人向けRPGと言わざるを得ない。よっぽど暇な人間にしかおすすめできない

ゲームバランスの問題点

多種多様なユニット、魔法が存在するのだが、似たようなものしか使わない状況に陥る。それはユニットの購入に金がかかるし、既存のユニットを買い足したほうが金がかからないため。それにもちろん使いやすいユニットも決まっているため、同じユニット、同じ編成に陥りやすい

例えばこのゲームの場合、最初は買いやすい動物ユニットを買い、ゲームが進んだら、より強力な種族ユニットでそろえる。というのが理想的なゲームデザインだろう

しかしトレジャー回収がうまくいきすぎて、それが台無しになってしまう。このゲームは敵のシンボルをかわして、先に落ちている金銭とアイテムを回収していくのが、定石。

しかしかわすテクニックが上達しすぎると、最初から最後の島まで到達し、最強武器の歌う探検を回収できてしまう。

そうなるとゲームの楽しさは崩壊してしまい、かつ必ず稼ぎやすいアークメイジ、神官、パラディンを入れた編成になってしまう。かといって最初のトレジャー回収しないと、最初に装備をそろえる金が集まらず、不利なってゲームが進めなくなってしまう

ゲームのルールとユニットに魅力があるが、それを生かせるバランスが見つかっていないと感じる。

ゲームを楽しむのであれば、ノーマル難易度で、先の島に行くのを禁止するのがよい。それだと編成を適度に変える必要がある。もちろん初心者はイージーを選んだほうが良い

ゲームシステム

ユニットのパワー・攻撃やスキル・スピードなどSRPGに登場する多用なシステムを非常にうまくまとめている

とくに秀逸なのはイニシアチブで、ターン制ゲームの先手・後攻の有利不利の問題をうまく解決している

ジリ貧になる戦闘バランス

ジャンルはSRPGで、フィールド上の敵とぶつかると戦闘になる仕様である。
一度倒した敵は2度と復活しないため、無限に敵を倒してレベルを上げることはできない。
その辺の仕様はシュミレーションゲームという感じで、うまく被害を押させつつ勝利を重ねていかないと、
お金はたまらずどんどん戦闘はきつくなっていってしまう。

本当に難しいゲームなので、ファーストプレイはイージーで始めることをお勧めする。

兵団

ただ兵団というシステムに致命的な欠陥を感じる
このゲームは一見ユニット同士が殴りあう
オーソドックスなSRPGにしか見えない

しかしその戦闘は、実は大規模な戦場を舞台にしており
単体にしか見えない兵士が何百・何千とスタックしている
ビジュアル的にもわかりづらく、戦闘システムを難解にしている

兵団の補充

さらに厄介なのは、失った兵士は当然帰ってこない
貴重な金銭を支払って何度も補充に向かわなければならない

コレを怠って、兵団が減ったまま戦闘に望むと
自軍の戦闘力が落ちていることによって、
より多くの犠牲を生んでしまうのだ

この手間もゲームをつまらなくしているのだが
それ以上に貴重な金銭の消耗が深刻すぎる
このゲームは経験値と金銭といったリソースは限られているため
兵団の補給にお金をかけすぎると、装備が買えなくなり
戦闘はより過酷になっていく

結果このゲームの戦闘はあまりにも神経質に、
消極的にならざるを得ない。

好きな兵団を組むのが難しい

このゲームでは多種多用な種族ユニットが登場し、
それらを活用し自分だけの兵団を組むというゲームコンセプトになっている

ただしそれにしては制限が多すぎる
まず決まった場所で、決まった数しかユニットは買えない
かつアメリ姫が保持できる兵団枠が7個しかない

そのため新しいユニットを試そうと思っても、
兵団を買う枠が無いので、既存の兵団を削除せざるをえなくなる

いろんなユニットを使おうにも、兵団の変更にリスクが高いため
結局似たような構成で、戦いつづけることになりがちである

せめて砦の駐屯兵団数ぐらいは、無限でも良かったと思う

ゲームバランス

最初のデビア島は拍子ぬけするぐらい簡単である
しかしコレはチュートリアル的な理由ではなく、
次の緋色の風の島へ向けて、戦力を蓄えさせるため

緋色の風の島から一気に敵が強くなるため
デビア島で報償と金をため戦力を増強しないと
苦しい戦いを強いられる
つまりより兵団の消耗は増え、金をためられなくなってしまうのだ

とくにデビア島で無損害勝利→大戦略のメダルをとることは
今後のゲームバランスを激変させることになる

大戦略のメダルはその入手の難易度もさることながら
序盤では戦力の増強も著しい。

結果戦力がより増強されたことによって、より少ない損害で敵を倒せるようになった
→金がたまりやすくなり、装備品でより強くなっていける
もちろん大戦略のメダルを取れなければ逆の展開になる
なんという初見殺し

序盤が難しすぎる

上の書き方はこのゲームの難易度を過大評価しすぎだと思うかもしれない
そもそも最近のゲームに、そんなシビアな難易度があるはず無かろう

確かにこのゲームは序盤からクリアまでの平均的な難易度を考えれば、
上のレビューは神経質になりすぎである

ただそうしなければならない理由がある。
4・5個目の島、錆びた錨島とベロナで難易度のピークを向かえるのである
ゲームのボリューム的にはベロナ上陸で中盤に入ったぐらいなのだが
ここらの敵は強すぎる

非常に強い・圧倒的以下の敵がいないことはざらにある
ここで資金が尽きてゲームが進行不可能になる恐れは十分にある

一応ノーマルのウォリアーなら適当プレイですんなり突破できるもんだが
ハードのパラとか拡張版のクロスロードになるとまったく保障できない

簡単すぎる後半

序盤の劇的な難易度とは対照的に、ベロナ突破からどんどん簡単になって拍子抜けになる
後半が簡単になるゲームというのは珍しくないのだが、
このゲームの場合バランス調整が不十分だからという理由ではない。

元々このゲームは、自軍から見て、つねに強い程度の敵の兵団と戦わせるような
ゲームデザインになっている。

序盤はそれで歯ごたえのある戦闘が楽しめるのだが、
後半はアメリ姫のレベルがあがったことにより、育成竜と兵士の質も上昇するため
強い程度の相手では戦闘力の差がありすぎてまるで相手にならない。

特にベロナ上陸に向けて序盤から慎重に戦っていると
もはや簡単すぎてゲームはまったく面白くなくなる

評価できる点

難易度調整的に評価できる点は、ボス戦で育成竜が使えないことかな
使えるとウォリアーが楽すぎると感じる