レビュー
今作は日本のRPGの中で伝説的な名作として知られる。
七人も宿敵がいて、設定も難解で、さらに冒険的な極めて複雑なゲームデザインを持つ
当時ドラクエやFFに次ぐ、二流のRPGの評価しか得られなかったが、奇跡的な完成度を誇る
難易度が高すぎてむかつくことだらけだが、よくゲームとしてまとめられたものだと感嘆するほかない
とはいったものの、このレビューは、このゲームがどんだけ酷いかで埋め尽くされている
イベントが難しすぎ
プレイヤーは帝国の領土拡大すべく、各地のボスを倒して、領土を手に入れ、税収を増やしていく。
イベントは自由に進められるが、難しく設定されている。各所は七英雄という強力なボスが支配しており、これを倒さないと領土かできない。 この七英雄を倒すことができず、進まないという状況に陥りやすい。
すんなり領土化できるほうが珍しくて、運河要塞、カンバーランド、サラマットなど、詰みポイントはいくらでもある
敵が強くなりすぎる
ゲームが進むにつれて敵味方の攻撃力は上がっていく。敵のHPは四桁を軽く突破するが、味方のHPは三桁が限界。キックや巻きつきのような攻撃で、一撃でやられる
しかも敵は元々素早いうえ、素っ裸なので重量がなく、先手を取ってくる。戦闘でLPを消耗して勝利することを余儀なくされる。
加え敵の攻撃の種類は多彩で、混乱やスタンのような対処困難な攻撃を繰り出す
強すぎるラスボス
七英雄も最初のほうは普通だが、第二形態の七英雄はとてつもない強さを誇る。対処しやすいのはソウルスティールの見切りがあるクジンシーぐらいで、それ以外は全滅級の技を全員もっている
ラスボスはそいつらを合体しただけあって壮絶な強さを誇る。普通に戦ってもとんでもなく強い上に、超理不尽なテンプーテーション連打してくる
この技は相手を誘惑するという、死ぬより厄介な技で、自分の強力な技を味方に使って全滅させる
攻略サイトみれば簡単に対処できるが、当時自力で編み出せる奴なんていたんだろうか?
マスクされたデータが多すぎ
今作は見た目よりずっと複雑なゲームで、ゲーム中見れない数値がわんさかある
PC用語でマスクデータというのだが、これが原因で防具がひどいことになっている
代表的なのに、防具の重量と防御値がある
重量は素早さを下げる効果があり、強そうな全身鎧を装備すると、重すぎて敵に先手を取られるようになる
また防具力が表記されてはいるが、簡略化されすぎて当てにならない。今作は攻撃の属性がなんと8属性もあり、それぞれ全ての防御数値が、防具ごとに細かく設定されている。ゲーム中では表記しきれないのか、斬耐性しか表示されてない
とりわけ盾と最強の帽子は詐欺で、上記の仕様で強いように見せかけて、プレイヤーに装備させようと迫る。防具は一人三つまでしか装備できないのに、こんなのつけてりゃ一撃で死ぬ
付け足すと、防御の値がわかっても、どの防具が強いか判断できるものではない。今作では状防御を優先するのが定石だが、状防御といわれてなんのことかわかるか?
閃く条件が難解すぎる
今作ではシリーズおなじみとなった、閃きシステムを初搭載。武器を振っていると、突然技をひらめくというもの
条件が一致しなきゃ絶対にひらめけないうえ、これがマスクデータになっている。はっきり言って閃くためにいろんな技を使ってみたところで、時間の無駄になるだけ。
一応剣が得意なクラスは、剣のひらめきも得意、という傾向はあるんだが、これも当てにならない。
ホーリーオーダー男みたいに、剣が得意と自称するが、剣のひらめきは苦手というやつがわんさかいる。
面倒な世代交代システム
ゲームは1000年にもわたる壮大な帝国詩。そのためゲームの進行で年代経過が発生する。
年代が経過すると、既存のパーティーメンバーが引退し、新たにメンバーを集めてパーティーを組み直すことになる
パーティーを一新し、戦闘も変化が出るだろうが装備や技のつけ直しは正直面倒だ。
パーティーの一新はあってもいいと思うが、あちこち移動する手間は省いてほしい
アバロン内なら、画面一つで技・装備・魔法を付け替えができるというようなUIがあれば良かったなと思う
続編の3では、技道場が廃止され、技の付け替えはメニュー画面を開けば、いつでもできるように簡略化されている。
弓と小剣が弱すぎ
ロマサガ2では小剣、弓が不遇武器になっている
この二つの武器が弱いことによって、ステータスの器用さの価値が激減。弓と小剣が得意なクラスもいらない子になっている。
古きよきキャラクターデザイン
敵味方のデザインも魅力がありながらほどほどにダサいのがよい
90年代ファンタジーにありがちな中世的なキャラデザになっており、
それが剣と魔法で戦うのとよくマッチしている。
勿論ダサいからよいというわけではなく、
クラス別に個性を強調したキャラクターデザインの良さがあると思う
最近のスクエニのキャラデザはより鮮麗されてると思うが
ビジュアル系によりすぎて、戦うのが似合わないと感じる
名作の魅力
システムの複雑さや未完成のUIでゲームプレイは快適ではない。
装備品には、ステータス増加が機能してない、重大な数値設定ミスがある。
しかし戦闘や敵、世界観には人を引き付ける魅力があるゲームで、
ご存じのとおり語り継がれる古典的な名作といえる。
戦闘とか今見るとしょぼいけれど、やってみると今でも熱中できるものが確かにあるだろう
中でも一番魅力的なのは、帝国の仲間たちと、敵である七英雄の熾烈な戦いだろう。
お互いのキャラクターの魅力のおかげではあるけれど
強大な存在と戦うというシリアスと過酷さこそが、このゲームを不動の名作にしている
RPGは星の数ほどあるけれど、
シリアスな戦いを演出するのは難しいことなのだ・・・