最初に言っておくが、と出来事の羅列が続くだけで、あらすじを読んでも面白くない。特に各キャラの名前が似通っており、区別しづらい

初代はシナリオライターが一流で、ウォーキングデットみたいなゾンビものとしては一流の出来。一方2の方は内容のない会話と回想シーンが永遠と続く。ドラマシーンのビジュアルはよいが、会話の内容は水のように薄い。

重厚なテーマとか大言壮語しているが、実際のシナリオはスカスカで映像で持たせているだけ。

1のストーリー

いわゆるゾンビもののポストアポカリプスもの。脳に寄生してゾンビ化する病原菌が蔓延し崩壊した米国が舞台。

主人公のジョエルは、ゾンビウィルスの抗体を持つ少女エリーを、レジスタンス組織のファイアフライに届けた。しかしワクチンを作る方法が、エリーの脳を取り出して犠牲にすることだと判明。

それを知ったジョエルは出術中のエリーを強行して救出し、脳外科医(ジュリー)とファイアフライのリーダーを殺害。リーダーを失ったファイアフライは解散。ジョエルとエリーはシアトル付近の生存者の街にたどり着きエンディングを迎える。

後付けだが、ジョエルはファイアフライの残党に命を付け狙われる。その中には2主人公のアビーがおり、彼女は殺害された脳外科医の娘だった

アビーはこの時普通の娘だったが、今作中では筋骨隆々としすぎていて異常に乳房が小さい。明らかに通常の女性の3Dモデルではなく、男性ホルモンを投与されている女性のようなビジュアルをしている。ゲーム中の設定は一切ないが、トランスジェンダーを意図して作られたキャラなのは間違いない

2のストーリー

前作から5年後の話で、前述のシアトル付近の街から始まる。ジョエルとエリーは新しい生存者の町に加わり、平和に暮らしていた。エリーは新キャラの親友ディーナとレズビアンの恋人になっていた

そこにアビー(新主人公)含むファイアフライ残党が接近していた。アビーはひそかに街警備の哨戒をとらえ、拷問してジョエルの居場所を聞き出そうと計画。

しかし町の周辺のクリッカーに遭遇して、絶体絶命に陥るアビー。そこに偶然パトロールに訪れていたジョエルと弟トミーが現れ、命を救う。アビーとジョエルはクリッカーを撒きつつ、ファイアフライ残党の拠点に避難する

残党たちは屋敷に立てこもっており、一見して旅行者のグループに見えた。がジョエルがうっかり名前を漏らすと、豹変してジョエルの足に発砲。ジョエルへの拷問を開始した。

そこにジョエルを父親と慕うエリーが、パトロールに到着。しかしエリーも残党につかまり暴行を受け拘束。アビーはエリーの目の前で、ジョエルをゴルフクラブで撲殺。激情したエリーは残党たちに皆殺しにすると言い放つ。ファイアフライ残党たちは、街の警備が来る前に逃走した

父親代わりのジョエルを撲殺されたエリーは、アビー含むファイアフライ残党への復讐を決意し追跡を開始する。ここまで冒頭だがざっとストーリーの七割を消化している

このあとエリーは残党を次々殺害して追跡。アビーの恋人オーウェンを射殺する。そこでアビーと遭遇するが、仲間の青年ディーンを射殺され敗北。親友のディーナを殺されそうになるが、妊娠しているというというとアビーはとどまった

アビーはエリーに、二度と姿を見せるなと吐き捨てて姿を消した。

この後エリーとディーナは復讐をあきらめ、場所不明の牧歌的な屋敷で同棲生活をしていた。レズビアンの二人は愛し合い、ジェシーの赤子と幸せな家庭を築いていた

しかしそこにトミーが現れ、アビーの居場所を教えた。エリーは恨みが再沸し、アビーを殺しに赴く

サンタバーバラのコンスタンツの2425地区まで行くと、ライカーズというバンデットと遭遇。エリーは何とか返り討ちにして、捕らえられていた捕虜を解放する。その捕虜の中に痩せこけたアビーがいた。

アビーはレブという少年とボートで非難しようとしてた。エリーは近づき白兵戦による決着を試みるが、アビーは背を向け戦う意思がない。エリーは強引に殴り倒しやる気にさせる。ナイフを持っていたエリーのほうが有利だったが、何とかアビーは払いのける。戦いはエリーが優勢で、海に溺死させようとアビーの頭を押さえつけるが、左手の小指と薬指をかみちぎられる

アビーを溺死寸前まで追い込むが、ジョエルの姿が脳裏に浮かんですんででとどまった。今度の戦いはエリーの勝利で、消え失せろと言い放ちアビーはボートで逃げた

そのあとジェシーのいる屋敷に戻り、ギターを弾くが指が二本足りないのでうまく弾けない。もうギターが弾けないエンドで終了

アビー編のストーリー詳細はこちら

批判

今作は無駄にキャラが多いうえに、名前が没個性で読む気にもなれない。

エリーとアビーがお互いに復讐を繰り返す事が、テーマになっている。 この凄惨なストーリーを見事にビジュアル化しているが、一方シナリオだけは幼稚。不必要なキャラとどうでもよい会話が多すぎて、ドラマシーンが苦痛

開発者の押しで、アビーの回想シーンが何度も展開されるが、異常に内容が薄い。どうでもいいような過去の恋愛話が永遠と展開される。しかも執拗にアビーがジョエルを殺したいと笑顔で語るので、ぞっとさせられる。シナリオライターの感性が、常人とずれすぎているように思える

シナリオの欠点は新主人公のアビーに全く共感できないところだ。アビーは復讐を目的とする過激派グループの一員で、ポストアポカリプスにはつきものの殺人鬼。今作の冒頭でジョエルに命を助けられているのに、感謝もなく拷問して殺すサイコパスである。

単に復讐だけが目的のファイアフライ残党共々同情の余地はなく、エリーに殺されるべきという感想しか湧かない

個人的にエリーの親友のディーナとジェシーが本当に嫌いで、早く死ねと思った