リマスターとして評価に値する内容だが、画面が暗いのが致命的でどうにもならない
画面の暗さはゲーム中のコンフィグでは設定不可能で、明るくするmodを導入する必要がある。このゲームsteamで配信されているゲームにしてはmodの導入は大変で、専用のmodをインストーラーの導入から始めないとならない。よくわからない、できないという理由で断念する人もいるだろう
画面の暗さについてはレビューに指摘はほとんどないが、個人的にプレイに支障があるレベルだと感じる。わたしだけではなく、youtubeのプレイ動画もほとんど真っ暗で全然見えない。私は普段ディスプレイのブライトネスを低めにして、目の負担をかけないようにしている。そのせいなのかもしれないが
わたしと同じように画面が暗すぎると感じた場合、プレイを中止して、steamに返金を要求したほうがいいかもしれない
ゲーム内容のレビューに移る。今作は過去三部作のリマスター版で、テクスチャーとモデルが向上し60FPSに向上している。主な変更点は大体そんなもんだが、テクスチャが精密になるだけで画面の美しさが全然違う。このテクスチャの張替だけで素晴らしく改善しており、開発者は良い仕事をしたと賞賛されていい
ゲームプレイの細かい改善点はどこでもセーブや、スイッチやアイテムが見やすくなっている。PC版でしか収録されてなかった拡張版ステージも素晴らしい出来栄えで、これをプレイするために購入する価値はある
またフォトモード[F3]はフリーカメラとして視界を得ることができ、ゲームが容易になっている。3が自力じゃクリアできないくらい難しいので、この機能はありがたい
細かい不満点としては前述のブライトネスの設定が不可なのと、レベルセレクト機能とムービーシアターが廃止されている。3の隠しマップなんてどうやってアンロックするんだろうという感じ
次いで原作の評価に移る。このゲームはついてこれを見ている人には説明不要だろうが、PS全盛期に英国のコアデザイン開発によりEIDOS社より発売された不朽の名作。当時のゲーム機のなかではずば抜けて完成度が高い
処女作となる初代は簡易なゲームデザインで、レベルデザインが退屈だが、セーブ&ロード機能を使わずにクリアできるような難易度でプレイはしやすい。いちいちセーブ&ロードを繰り返さなくてもいいし、エジプト面から飛び回るマミーが出現して戦闘も白熱する
1の欠点だが常時風が流れる環境音が流れるが、場面にあってない上に若干不快。PS版は環境音がなくほとんど無音だったので、PC版の仕様のようだ。また拡張版はなぜか素晴らしいBGMが流れないというバグがあり、常時風の環境音が流れてわびしさを感じる
2はシリーズの中でも最高傑作で、難易度は高いが舞台が奇想天外かつリアリティがある。細かいSEもパンチの聞いたもので、独特の雰囲気がある。続編やレベルエディターのフリーマップとは同じシリーズでも、印象が全然違う。めちゃくちゃ死にやすいが、リマスター版ではセーブ&ロードも容易なので、一番名作だろう。敵のスノーモービルがやたら強い以外は特に不満あるまい
3はシリーズの中でも迷作といわれており、クッソ難しい。複雑なレベルデザインやストーリー、キャラも面白くて、今シリーズの名作の一つである。だがとにかく難しくて、地形が複雑でどこに行けばわからんし、画面が暗くてよく見えない。加えて壮絶な死にゲーで、ちょっとでも変なとこ行くと即死。丁寧にトラップも凶悪で、シリーズおなじみの大岩もやたらかわしづらいタイミングで来やがる
一方で敵はめちゃくちゃ弱くて、戦っていて楽しくない。弱いくせに火属性の攻撃だけは凶悪で、死ぬまで引火して絶対に死ぬ。武器のバランスも悪くて最強のグレードランチャーとロケットランチャーが無茶苦茶弱くて、全く存在意義がない。代わりにデザートイーグル(今作最強武器)の弾よこせという感じ
3はSEもいまいちで、室内で録音したようなくぐもった音でプレイしていて眠たくなってくる。素晴らしいと評判だったBGMもなんか妙に陰気で、夕暮れと夜のマップばかりでスカッとしない
まあ3はPSの海外版があまりにも鬼畜すぎるクソゲー(セーブ回数が有限で、アイテムが暗くて全然見えない)だったので、それに比べりゃ無茶苦茶改善されていると言えなくもない。
今作リマスター版のレビューは以上となる。シリーズ自体はもっと長く続いているが、初期作である1~3が名作として称されるのが一般的。4~5も同じようなゲーム内容だが、あまり評価されることはない。
4以降キャラやストーリーも1~3に比べて退屈だし、似たようなゲームだがレベルデザインに雲泥の差がある。このシリーズのレベルデザイナーは調べてもわからなかったが、天才的なデザイナーだった。処女作である1からそれを進歩させ舞台を一新させた2。難解かつリアリティのある3(難しすぎるのが難だが)などのマップを創造してきた。
総じて1~3はララのキャラだけでなく、レベルデザインも芸術的な出来栄えで、4以降の作品とは一線を画している。トゥームレイダーシリーズはレベルエディターと作成されたユーザーマップも配布されているが、1~3のレベルデザインの盆栽のような芸術性に到達するのは困難だった