ナローニア中央広場噴水前
休日は人通りでごった返す噴水前は、平日のどんよりとした曇り空で、人通りがまばら
噴水もメンテナンス中で動いておらず、プールに水が張っているだけだった

サトシは噴水前の腰掛に座って、うなだれていた
サトシ「チームの募集すらないよ。俺なんかがSランに入れるわけないか…

ぽつぽつ小さな雨が降り始め、噴水前のプールに小さな波紋が広がった。
サトシは考え事をしていた。ポンノの酒場にいってテイザに慰めてもらいたかったが、金がない
毎回ただで居座ったら迷惑だろう

ジョルノ「君がサトシ君だね?」
背中を丸めて座っていたサトシは、誰かに呼びかけられた
振り返って見上げると、金髪の冷たい目つきをした青年が見下ろしていた
ジョルノ「僕は黄金の風のリーダージョルノだ。
サトシ「ジョルノ!?あんたあのSランチームの!?
ジョルノ「初めまして。早速だがうちのチームに入らないか?
サトシ「ま、まじか…俺はC級鑑定士だぜ?
ジョルノ「君はC級だが、優秀だという噂を聞いている。
サトシ「俺が優秀?誰がそんなことをいったんだ?俺は地味な鑑定士の仕事をしていただけだ
ジョルノ「噂は噂さ。誰かわからないが優秀だと聞いた。そうなんだろ?
サトシ「う…

サトシは青い野犬に追放され、自分に自信が持てない。本音では断ってしまいたかった
だが昨日のテイザの占いを思い出した。
SランにスカウトされてSランクになるといわれた
サトシ「(臆してはだめだ…テイザの占いを信じろ
サトシ「もちろんさ!ぜひあんたのチームに入れてくれ!」
ジョルノ「よし決まりだ。早速顔合わせをしたい。僕のそばに来てくれ
サトシ「ああ…
サトシは立ち上がると、ジョルノの隣に立った

サトシ「何をするんだ?
ジョルノ「うちのNVRにテレポートする。魔法陣を書くから中に入ってくれ
地面はぽつぽつと降り注いだ雨の跡が多くなり始めた
ジョルノが地面に手をかざすと、二人の足元を囲むように光のラインが引かれ丸い図形が書かれていく

サトシ「て、テレポートって!?
ジョルノ「説明は後だ。ここで雨に濡れたくないだろ
地面に描かれた魔法陣が強く輝くと、中にいた二人の姿はふっと消えてしまった
魔法陣は光を失ってきえ、石のタイルに雨が跳ね返り、誰もいない広場は暗い雨に閉ざされた