2017年11月1日 設備管理職業訓練卒業後35才の秋

職業訓練を卒業し、夢真という施工管理会社の特定派遣に就職した。大量に採用して大量に辞めることで日本一有名な会社である。

東京丸の内の駅前の一等地のビルの一角に大きなオフィスを構える。研修生を集めて勉強会、自習会ができるほど。

私の同期はすでに100人ぐらいいるようで、年齢層は多様だったが、20代の若者が多いようだった。若者がきゃあきゃあ言ってるのを見ると別世界に来たように思える

施工管理の仕事についてスクリーンに初歩的な内容が写される。座学と呼ばれる勉強会で、講師役の社員が見事な発声で一度もかむことなく授業の内容を読み上げている。社会人としてどれだけ努力したのかうかがい知れる

この辺の座学の内容はろくに覚えてないが、施工管理の仕事内容を紹介しただけで、実務には全く役に立たなかった

たしか施工管理とはなにか、職人とはなにか、派遣法とはなにかという内容だった。たしか職人の仕事は手伝ったりしようとすると、派遣法に違反するという説明もあったと思う

ただ一つだけ役に立った内容がある。施工管理として成長するには、技術や知識ではなく、人間力が一番大事だと説明していた。

いわゆるコミ力というやつで、人と仲良くできる、あれこれ人に聞くことができる、という能力だと分析している。ぶっちゃけいくら建築について勉強してようが、人間力がないやつは施工管理として全く成長しないと断言された

これは本当に当たっていて、後述するが、私は全く成長することなく二年後にこの会社をクビ同然の扱いで退職している。コミ力がないやつは何やってもだめってこった

学生のようにほかの若い同期の新入社員たちと、窮屈な座席に座りながら、私はfireタブレットに目を落としてた。第三種冷凍機械責任者の試験が迫っているためだ。この自習の甲斐あって試験には合格できたが、この資格が役に立ったことは皆無だった

若いコミ力にすぐれた田舎での若者がクラスの人気者になっていた。どんなコミニティでも目立ったりめちゃくちゃ友達を作れる奴はいるんだなと思った。頭の回転が速く、いつも面白いこと言えるので、どんな職場でも出世できそうに見える

毎朝めちゃくちゃ気合の入った朝礼をするのが恒例で、派遣先の見つからない社員は、全員の前で大声で声出しする罰ゲームがある。

営業は格上の扱いで、給料も高いし、お疲れ様です、と我々新入社員は声かけをする決まりがある

私の最初の派遣先は駅前の商業ビルの空調設備の施工管理だった