web小説家の終局

2025年11月17日更新

一般書籍の衰退

現状webで文章を書いている作家やライターは、ラノベ作家にほとんど集約されている。ブロガー時代にはコラムやルポを書く一般向けの作家やライターがいた。しかしブログ時代の終局と共に、パイが狭くなってほとんど姿を消した。

一般大人向けの書籍は読者が少ないので、掲載サイトもほとんど廃れて存続できなかった。一方なろうや悪徳令嬢を掲載する、カクヨムや小説家になろうが存続するに至った。

ラノベ作家の台頭

小説家になろうの特徴は、読者の年齢層が低いラノベ系プラットフォーム。炎上を避けるためにコラムやフォーラムが存在しない。またラノベに飽きたら大半卒業して戻ってこない

ラノベとなろうの区別が語られるが、ほとんど違いはない。なろうのほうが異世界と日記エピソードが多く、ラノベよりさらに量産性に特化している。なろうはラノベの後継みたいなもので、見分けるのが難しい

転スラや薬師の独り言のような金字塔の作者は、一般的にラノベ作家の扱いを受けている。なろうとかBL作家ではなく、ラノベ作家という言い方が通りやすいだろう

そういうラノベ作家に集約された理由は、収益性が高い主要コンテンツであること。金が動くので作家や読者が集まり、出版社も生き残りをかけて注力した

逆に言えばこのなろうやラノベ市場が廃れると、日本の出版業界も終局に至るということ。このなろう市場は2020年に世界規模になり全盛を迎えるが、徐々に市場のパイが狭まっている

ラノベ作家の終局

なろうやラノベ作家のような低年齢層向けの作家には弱点がある。作品と作家の入れ替わりが激しい。若い読者の数も減少傾向で、パイが年々狭まっている

もう一つの危機はLLM(大規模言語モデル)の台頭だ。chatGPTやgeminiのようなチャットと生成AI小説が可能なAI。ラノベ作家の書くラノベやらなろうやらは、生成AIに模倣しやすいという特徴がある

なろうやラノベの小説の特徴として、異世界と連続性の乏しいエピソードがある。それによって量産性を高めているが、緻密なプロットが不要なので生成AIに模倣しやすいのだ

また読者と作家の垣根が狭いため、読者がLLMに入れ込んで、クリエイターに転向しやすい深刻な問題がある