今作のOPイベントは、唯一主人公の全員が参加する一大イベントとなる。見どころが多く出来が良いが、ストーリー的な問題点がいくつかある

モニカ組は不要

主人公8人はイベント城二つのグループに分かれる。ミカエル、カタリナ、ハリードのゴドウィン討伐組と、それ以外のモニカ護衛組

ゴドウィン討伐のメンツは見どころが多く申し分ない。しかしモニカ組はこれといった見どころがない。すんなりレオニード城に到達し、暇なので宝さがしに出かける始末。戦地から遠ざかるので、見どころがないのも仕方ないが。しかしモニカ組はゴドウィンの反乱の黒幕がモンスターだった、という事件の核心を見ることができない。

モニカ組については明らかにリメイクが必要。案として「ポドールイに避難することを拒否し、ミカエルと共闘。モニカが使った脱出口から城内に侵入し、開城する」が考えられる

レオニード城に向かうストーリーを採用するにしても、問題があるので修正がいる。モニカ組には宿命の子のサラがいる、という重大な事実を見落としてる

レオニードもその事実に気づくことなく、モニカの美しさをめでるばかり。レオニードがロアーヌの政争しか見ていない俗物であることが露呈する。聖王の血をうけた聖杯を持っていて、世俗にも詳しいはずなのに。宿命の子は同年代が全滅しているので、常人にも見抜くことができるのだが。

辛辣だが、宿命の子の設定は、作った当時のスタッフでも持て余しているように見える

修正案としてモニカ組は「モニカではなく、サラがモンスターに狙われている事が発覚する」というエピソードが必要になる。

ガルダウィングがサラを狙っている事実を追加し、レオニードがサラの正体を見抜いて指摘しなければならない。

悪鬼の正体

ミカエル組については、もっと深刻な問題が一つだけある。黒幕である悪鬼が、誰の手下か明らかにされない。こいつは絶対に四魔貴族の誰かの手下である、と明らかにしなければならない

安直とか、自由に解釈できるようにしてある、など言い逃れはできない。なぜならこの後ランスのヨハンネスに、アビスゲートについて聞かないと、イベントが一切進まないからだ。悪鬼は四魔貴族の手下→アビスゲートについて調べよう、とちゃんとプレイヤーを誘導しなければ不備になる

前作のOPイベント、クジンシーの襲来を思い出してほしい。七英雄が敵であることが明確に描写され、帝国の動機が分かるようになっている。そのあとヴァイカーギャロンも、自分が七英雄の手下であることを名乗り、宿敵の存在を明示している

総じてゴドウィンの反乱は、ロアーヌの一大事だが、ストーリーの核心である四魔貴族と定めのつながりがなく、あまり重要でない。またこのイベントが終わると、まだ序盤にも拘わらずストーリーが完結して、目的を見失う。ドラクエ6なら、真ムドーを倒した後のような希薄な展開になる