難解な今作のストーリーの問題点を述べる。今作のストーリーは大きく三つのレイヤーに分かれる
過去の出来事
まず魔王や聖王が活躍した過去の出来事。設定は豊富で、リユニで定評を得たが、ゲームにはあまり重要ではない
サラと少年が魔王と聖王の再来に当たるのに、超越した能力を持たない。ただアビスゲートのカギになるだけで、四魔貴族にあがなう力を持たない。その四魔貴族も主人公たちただの人間に倒されてしまうため、設定はすごいが現実は大したことない。
ゲームとはあまり関係がないといわざるを得ない
世界の政争
次いで政争諸国の政争。ゴドウィンの反乱がおきたロアーヌ、メッサーナの乱がおきたメッサーナ王国、神王教団などが中心になる。設定の数は中、ゲームの重要度も中となる。
設定はいろいろあるが、いまだ未完成の場面が多くある。ルートヴィッヒはメッサーナの乱を征してから5年たつのに、時間が止まっている。ミューズとシャールのイベントは設定だけで、ゲーム中に必要な説明がない。宿敵神王教団との決着をつけることができない
ほとんどの主人公はここに組み込まれるため、設定上の重要度は高い。ただし四魔貴族と宿命の子と関連性は薄く、ゲーム進行の重要度は劣る。また全主人公が責務を放り出し、サラを助けることを優先してしまう。ミカエル、ハリード、カタリナは他に使命があるはずなのだが
総じて設定もシナリオ進行の影響度も今一つ足りない。最東の地のエピソードを削って、ルートヴィッヒとか神王教団のイベントを追加したほうがよい
宿命の子
最後に四魔貴族、死の定めなど、宿命の子であるサラと少年を中心にする出来事。全主人公サラを助けに、死の定めと戦うのが強制なので、ゲーム進行度の重要度は最も高い。一方設定や描写はほとんどない
ゲーム進行ではもっとも重要だが、設定とエピソードがないためよくわからない。唐突に始まり、なぜか戦わされる羽目になる
宿命の子のストーリーの中心人物は間違いなく少年だが、必要な設定がなく謎だらけのまま。また主人公に選べないので、エピソードを描写できない
いまだ未完成
三つのレイヤーにそれぞれ課題があり、設定とイベントの追加が必要になる。しかし長い年月を要したリマスタ版ではほぼシナリオの追加はなく、今作のストーリーが完結するのは絶望的。
弁解するが、難解だった初代と前作はちゃんと完結している。今作だけは難解すぎて当時のスタッフでも完成できなかったらしい