ファンタジーの分類:Web小説時代のタクソノミー - WEB小説コラム | harano

ファンタジーの分類

2025年11月26日 更新

ファンタジーは小説の売れ筋のジャンルで、多数の金字塔を要する。web小説系でも最大勢力となる。

分類は現代音楽並みに多種多様に分かれ、細分化されている

ナーロッパ

なろう系の舞台。日本のweb小説はほとんどこのナーロッパを舞台にしています。現代のケータイ小説系に近い構造を持ちます。

  • 構造: サンドボックス系のファンタジー世界が舞台。目標がなく完結することもない。
  • 主人公の優位性: 主人公だけが都合よく転生でき、異世界の住人はNPC(非プレイヤーキャラ)なので現実世界を認識できない。
  • 市場特性: 対象年齢、リアリティとも最も低く、大衆小説として人気がある。LLMも生成AI小説を量産しやすい舞台。
  • 問題点: 数が多い上に異世界やファンタジーと見分けがつきづらい。異世界ものとファンタジーがナーロッパに埋没するため、カテゴライズはきっちりやってもらいたい。

令嬢ナーロッパ

薬屋と悪徳令嬢が有名。ナーロッパと似た架空ヨーロッパだが、ファンタジー要素は少ない

  • 転生要素がない(女性の死亡はガイドラインに抵触するため)
  • 戦闘要素がなく、剣や魔法もほとんど出てこない
  • 貴族の階級描写が多い

異世界

現実の世界とファンタジー世界の両方を舞台にする形式です。(例:ハリーポッターやピーターパン)前世紀の童話系に近い構造を持ちます。

  • 構造: 異世界の住人はNPCではないので、現実世界を認識できる。
  • 主人公の限界: 異世界の統治者は主人公より有能なことが多く、主人公が異世界を掌握できないという制約がある。

古典ファンタジー

指輪物語が有名。主人公が異世界の住人で、現実世界に干渉することはありません。宗教の神話系に近く、人間の勢力が比較的弱めで、神やそれに類する存在が強大な傾向にあります。

  • リアリティ: 意外にもリアリティは最も高く、負傷や戦闘描写はシビアに表現される。

ゲームファンタジー

TES(The Elder Scrolls)やDiabloが有名です。多種多様ですが、ラスボス的な存在がいて、それを倒して完結を目指すのが特徴です。

  • 構造: 戦闘を重視するため、プロットに明確な目標(ラスボス討伐)があり、完結へ向かう動機が強い。小説のファンタジー世界とは一線を画す。